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会議番号:3076 開催期間 2011年01月31日- 02月07日
GDPと私たちが幸せかということと、あまり相関性はないと考える方が多いようですね。確かにGDPが世界一のアメリカも、いろいろ矛盾だらけのように見えます。医療保険がないために病院に行けない人々が5000万人近くいる(無保険者をなくそうというオバマ大統領の医療保険改革は抵抗が強くて中途半端なものになってしまいましたが、それでも野党共和党はこの法律を廃止するつもりのようです)というのもその一つです。 ただ第三位になったことよりももっと問題なのは、日本経済そのものがほとんど成長していないということでしょう。1991年のバブル崩壊以来、ほぼゼロ成長と言ってもいいのです。「失われた20年」というのはここから来ています。 成長できない理由は何かというと、それは消費が伸びないというか落ちているところに最大の原因があります。その理由は、政策投資銀行の藻谷さんが言うように(彼の分析が一番当たっていると思います)、15歳から64歳といういわゆる現役世代の数が減っていることです。最も消費する年代の人が減れば、消費は減ります。 中国など新興国はこの労働年齢の人口が増えていることと、生活水準の向上が相まって、消費が経済を引っ張っています。日本はこの点をどうやって解決していくのかということが最大の問題なのですが、現在の民主党政権も(もちろん自民党政権も)「成長戦略」がないように見えます。 輸出が頼りと言っても、新興国の追い上げで苦しくなるばかりです。TPP(環太平洋経済パートナーシップ協定)への参加という話も、この協定に参加して貿易を活発にするという選択をしなければ、日本がますます沈んでしまうという脈絡で考えるべきだと思います。 さて皆さんに改めてお尋ねします。日本経済は安定的に(たとえば2%ぐらい)成長しなければならないとすれば、労働年齢の人口を増やさなければならないと思います。そうすると出生率を引き上げるという手段、あるいは移民の開始という手段などが考えられます(引退する団塊の世代から半ば「強制的に」富を子どもたちの世代に移転するという主張もありますが、僕はあまり乗り気にはなれません)。 一方でそうまでして経済成長しなくてもこじんまりとやって行ければいいと考える人々もいます。皆さんは「経済成長」ということについてどうお考えになりますか。
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