働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3124 開催期間 2011年10月24日- 10月31日
野田政権は、11月のAPECまでに「TPP協議参加」へ段取りを整えようと動き出しました。農業団体や医師会は「反対」の声を上げ、国内世論を二分する動きになっています。円卓会議では、「賛成」が78%と、協議参加を支持する意見が圧倒的です。 賛成意見は、「参加しなければ、日本が有利になる条件を言う機会を放棄することになります」というクロ豆さんに代表されます。kazuoiさんも「まずは話をし、交渉をすること。そこまでなら自由に参加するのが良いと思う」と言っています。 これに対し、反対意見は「自由化は競争を煽るが、結果弱者である個人経営は国際競争力の波にのまれ消えてしまうだろう」(asuka0921さん)、「国際貿易の枠組みとして乗り遅れないように、と焦って参加してはいけないと思います」など、交渉を超えて「TPP反対」を鮮明にしている点です。 書店に並ぶ本を見てもの、TPP関係の書籍は、ほとんどが「TPP反対」の本です。「賛成」「推進」はあまり見かけません。なぜ「賛成本」がないのか、経済産業省の人に聞いたことがあります。「反対する人は、農業や医療など明確な論点がある。だが推進派は、賛成しようにも、全体像が決まっていないから本にして賛成を訴えることができにくい」と苦しそうに言っていました。 だからこそ円卓会議の議論のように「交渉に参加して日本の意見を反映すべきだ」という声が大きくなるのですが、交渉して自国の意見が通らなければ参加しない、ということが可能か。このことは政府・与党でも議論されていますが、理屈では「交渉決裂・退場」は可能でも、結果が気に入らないから脱退する、ということは、現実的には困難です。第二次大戦の前、国連の軍縮交渉が日本に不利な形となり、日本は国連から脱退して国際的に孤立しました。協議に参加することは、結果に責任を持つことです。 国債交渉は、それぞれの国が自国の損得を考えて、なにがしかの実利を求めて参加するものです。新たな協議の場で、どんな国益を達成するか、その狙いが曖昧なままでは成果を得ることはできません。表向きは「自由貿易の推進」とか「国際的協調」などきれいな言葉がちりばめられていますが、交渉は実利を求めるものです。そして多数派工作の一環として仲間になりそうな参加国を増やすことが、自国利益の達成に欠かせません。 交渉に参加するということで、日本にどんな利益があるのか。何を失うのか。やってみなければ分らない、では済まないでしょう。日本の交渉力がどれほどのものか、は分っているはずです。野田政権が参加へと舵を切ったのは「対米関係への配慮にある」とも言われています。 参加国の顔ぶれを見ると、小国がほとんどです。交渉力は国力を反映します。米国のイニシアテイブが強く働く協議になるでしょう。かような性格の協議の中で、日本は何を得たいのか、そのために何を捨てる覚悟をしなければいけないのか。賛否と併せ、あなたの意見をお寄せください。
イー・ウーマン
表参道カレッジ
eshop
©2014 ewoman, Inc.