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会議番号:3292 開催期間 2014年05月09日- 05月16日
たくさんのご投稿ありがとうございました。「保険外診療と一緒に受けると保険診療も自己負担」という制度に、直感的に違和感を持つ方が多いという結果になりました。そして、今現実に困っている人の選択肢を確保することが必要(シンゴパパさん)、個別の事情を勘案しない一律の運用はおかしいのではないか(A6M2さん)、といったご意見もいただきました。一方で、遥海空さんからは、違和感は覚えるが、未承認薬のような治療を試したい人が増えれば、重大な問題が起こらないかといった不安もご指摘いただきましたが、この制度を考えるときの注意すべきポイントだと思います。 制度を知らなかった、という方もいらっしゃいました。そこで、今日は前回紹介した、保険外診療の中で、例外的に、保険診療との併用が認められている「保険外併用療養費制度」についてまず説明していきます。「併用が認められる」というのは、保険外診療と保険診療を一緒に受けても、保険診療の部分が全額自己負担にならず、保険が給付される特例、という意味です。 この制度で併用が認められる保険外診療には、将来も保険適用の対象となることを前提としない「選定療養」と、将来、保険対象としていくための、つまり保険収載していくかどうかの評価を行う「評価療養」の2種類があります。「選定療養」には、実は身近に皆さんが体験されているだろう、セラミック歯、差額ベッド、大病院の初診料など10種類があります。「評価療養」には、先進医療や、医薬品や医療機器の薬事法の承認を得るために行われる臨床試験(これを治験といいます)にかかる診療など、7種類があります。現在、日本の中で先進医療として認められている医療技術は96技術ありますが、実施病院数はそれぞれの先進技術によって大きく異なります。中心となる先進病院と協力病院10病院くらいが平均のようです(厚生労働省のHPをご覧ください)。 ですから、保険外診療と一緒に受けても、保険診療分は保険制度から給付されることを希望するならば「評価療養」制度があるではないか、という声もあります。しかし、「評価療養」の目的は特定の薬や治療法を一般的に保険に収載するべきかどうかを評価することなので、実施するまでにはその評価のための統計学的な妥当性も踏まえた計画を決めたり、一定数の患者さんを集める必要があるなど、「ひとりひとりの患者さんの治療」が主眼ではなく、むしろ、治療の「保険に収載できるかどうかの検討」が主眼といった印象を受けます。 実際、評価療養での治療は ① 上記HPでご覧いただけるように、評価を行う限られた病院でしか受けられませんし、 ② 治療の種類や、年齢制限や他の病気に罹患していないなどの一定の基準を満たした患者さんに限定されています。さらに、 ③ 申請から承認まで3か月から6か月かかるため、実際に治療を受けるまでに多くの時間がかかります。 もちろん、評価療養制度は、将来、より多くの患者さんが保険で治療を受けられるために必要な重要な制度で、今後も一層拡充させていく必要があります。現に、近年、この先進医療の審査スピードを加速させ、実施病院数や対象医療技術も広げる方向にあります。しかし上記のような点で、現状の評価療養という制度の枠組みでは、一人一人の患者さんのニーズには応えられない懸念があります。 そこで今週の「働く人の円卓会議」のテーマである「保険外診療を一緒に受けると保険診療分も自己負担」について再度考えていきたいと思います。 現在の制度では、実は、医師は、未承認薬の使用などの保険外診療を、自由に行うことができます。これを自由診療といいます。下表のように、保険診療と組み合わせない(あるいは、組み合わせてもすべて保険診療も全額自己負担する)限り、医師による保険外診療の提供は自由となっているのです。 自由診療は医師と患者との契約によって成立し、保険診療と違って病院からレセプト(診療報酬請求明細書)が提出されることもないため、その実態は把握されていません。保険制度から給付するか、という以前に医療の安全性が確保されていることは重要ですし、また、優れた診療はいずれ保険で受けられるようになることが理想ですので、こうした状況はより透明にしていく必要があるのではないかと思います。 1日目の会議で述べたように、同じ病院で保険診療と一緒に保険外診療を受けられないために、保険診療を受けた患者さんが別の病院に行って保険外診療だけを受ける場合があるようです。そのような方の場合は、患者さんの診療データが蓄積されている同一病院のほうが、どのような保険診療を行ったかデータが残っているため明確にわかるなど、保険外診療の併用の安全性は高まるように思えます。 そして、困難な病気と戦う患者さんが「受けたい」と希望し、何とか目の前の患者さんを助けたいという医師が、たとえば海外で実績のある安全で有効な未承認薬などの保険外の診療を患者さんに十分な説明をし、患者さんが納得の上で実施するといった場合には、一緒に受けた保険診療の部分までもが全額自己負担となることは適切ではないだろうと、考えます。 表:議論の整理 そこで、3日目の会議に向けて皆さんに質問です。現在の保険外併用療養費制度には、「選定療養」と「評価療養」の2種類があることを書きましたが、それ以外の自由診療は、保険対象部分までもが全額自己負担となっています。このような制度についてどのような印象を持たれますか。また、制度を改善する場合、どのような提案が考えられるでしょうか。 投稿される時には、特に困難な病気と闘う患者さんのニーズに対応する視点や、日本の医療を発展させる視点から、現在の保険外併用療養費制度で十分と感じられるか、改善するならどんなお考えがあるか、ご意見をお聞かせください。なお、差額ベッド代などの選定療養についても、もし実際にご自身やご家族が体験されて何か感じられていることや提案などがありましたら、教えてください。 保険外診療を一緒に受けると保険診療分も自己負担。変だと思いませんか? まずイエス・ノーの投票をしていただき、投稿してください。イエス・ノーは、この円卓会議に参加しながら、1週間の中で考えが変わったら、投票し直していただいて結構です。お一人一票でカウントされていますので、途中で投票が変われば、それまでの投票が引かれ、新しい投票が入ります。 *お知らせ:私たち内閣府「規制改革会議」は、2014年6月13日、ここで議論していた内容をかなりの程度反映した「患者申出療養制度(仮称)」を安倍総理に答申しました。
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