働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3713 開催期間 2023年03月24日- 03月31日
みなさま、ご無沙汰しております、元フジテレビの織田と申します。 働く人の円卓会議、今回のテーマは、「実名報道の是非、それも被害者についての実名報道の是非」を議論したいと思います。 フジテレビ在籍時は、多くの大学でメディアを巡る状況や考え方について講義し、学生の皆さんと一緒に様々な問題について考える機会をいただきました。 そういった中で、我々メディア側と皆さんの考え方が最も乖離していると感じたのは…「被害者の実名報道」の是非だったと思います。 確かにひとたびメディアが注目するような事件や事故が起きると、巻き込まれた人々は、それまでの平穏な生活が一変することがあります。 なんの落ち度もない被害者とその家族は、傷ついた心を癒す間もないままメディアの取材にさらされ、辛い気持ちにさらに追い打ちをかけられる。おそらく皆さんは、そんな光景を思い浮かべていることでしょう。 最近、「家族葬」が多くなったと、皆さんは感じていませんか。家族だけで静かに弔い、そして送るという形式は、すでに半数を超えているという調査結果もあります。 亡くなった被害者を実名で報道することは、そういった静かな雰囲気を壊してしまう、思いやりのない行為に見えてしまう。今の日本では、ますます心理的な抵抗を覚えることになります。 基本的にメディアは人気商売です。テレビは視聴率という形でどれだけ番組に賛同を得られるのかということが、売り上げや利益の基本的な指標になりますし、新聞や雑誌も発行部数によって大きく左右されます。インターネット上のプラットフォームも、アクセス数が収益の基本データになります。 そう考えると、少しでも人気を失いそうな要素は排除したいはずなのに、メディア(特に古くから活動しているテレビ・ラジオ・新聞・出版などのオールドメディア)はこぞって、被害者についても「実名報道」という原則を現在も貫いています。 考えてみると、これって不思議なことですよね。 皆さんの賛同が得られるかどうかは分かりませんが、メディアで仕事をしていた立場として、この点について、以前から皆さんと議論してみたいと思っていました。 前提条件として、最初に「公共性」と「公益性」という言葉について説明させてください。 難しい言葉を持ち出して煙に巻く、たちの悪い専門家みたいですよね(笑)。 ですので、思いっきりわかりやすく説明しますね。 ここで言う「公共性」とは、みんなが関係すること。 そして「公益性」はみんなのためになることです。 大手メディアは、多くの皆さんが興味や関心をもつ(=公共性)出来事や考え方について伝えます。すると情報の受け手である視聴者や読者は、様々な知識や教訓を得ることになります。それが豊かで安全な生活につながり、広く社会のため(=公益性)になります。 そんな考え方によって、メディアという存在とその活動は支えられています。 その証拠に、メディアが関係する裁判では、ほぼ100%この二つの言葉が登場します。この考え方を基本にして、議論をしていこうと言うわけです。 被害者の実名報道。あなたは、必要だと思いますか? まずは、YES、NOに投票し、その理由とともに投稿をお願いいたします。 実名報道といっても名前だけの場合もあれば、顔写真や動画などを使用して、詳しく伝えることもあります。そういった細かい点にこだわってご意見を寄せていただいても構いません。 それでは一週間、どうぞよろしくお願いいたします。★織田議長の過去の円卓会議より・藤井聡太さん、活躍。将棋への関心は高まりましたか? <運営事務局より> 投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。 ・自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿には編集にて「私は」を入れさせていただく場合もありますのでご了承ください。 ・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。 ・議長からの各日の投げかけ(赤字部分)に答えた内容で投稿してください。
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