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場所はどこだったんですか?
千葉大学病院の近くに、千葉県で教育部長をやっていた人がいて、非常に教育に厳しい方で、その人のところに私は弟子に入りました。だから大変だったんですよ。
千葉県の教育部長というのは、理容の教育部長ですか?
理容師組合、美容師組合というのが有り、その教育部長というか、理容師組合の教育のトップの方のところに行かされたんです。
それは専門学校の先生が決められた。
先生が決めました。たぶん私はすごく生意気でしたし、一筋縄ではいかないからというので、厳しく躾けなくてはということだったのでしょう。
一番厳しいところへ。
一番厳しいところにお前は行けと。でもそこで、この業界で生きていく覚悟というか、基礎を作ってもらえました。その先生は技術の細かいことは、全然教えてくれないんです。奥様もとても厳しい人で、掃除の仕方、礼儀、接客を奥様から徹底的に教わりました。
18歳にして、親から習わなかったことや、親に対してだったら少し生意気な口を利いていたかもしれないことを、先生の奥様に指導を受けたと。
はい、今でも私は感謝しています。そこは本当にお店をキレイに、ピカピカに磨くんです。特に驚いたのはトイレの掃除でした。当時のトイレはまだ水洗じゃないんですね。それを水できれいに洗って、最後に手で拭くんです。最初は、ビックリしました。でもね、その奥様が、トイレというのはご不浄、汚いところではない、人間の一番の元のところなんだと。だからトイレは神聖な場所だから、手できちんと磨き上げれば、何も嫌なものではないと教えていただきました。最初は、できませんでしたけど、でも最後には私も手で洗ってました。
場所柄、大学病院の先生のお客様が多く夜勤明けとかでいらっしゃるでしょ。そうするとね、「ここのお店のトイレって気持ちいいよね」って言われて。「トイレってそういうことなんだ」っていうことを教えてもらった。その後、高橋商事(現ソシエ・ワールド)に入ったら、それ以上に掃除が厳しかったんですけど、頑張れたのは、それがすごく活きてましたよね。