佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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小谷真生子さん

テレビ東京『ワールドビジネスサテライト』キャスター


衛星第1放送で「日本列島ふるさと発」を担当しました

佐々木

その後、予定通りジャーナリズムの道で、NHK。

小谷

まずは衛星第1放送で「日本列島ふるさと発」を担当しました。これが当時、画期的だったのは、地方のニュース、たとえば東京にいたら北海道のニュースが見られない。だからそれを一度東京に全部集約して、編集して、それを夕方、東京からまた全国ネットで出す。おもしろかったですよね。

中継をしたり。頭と終わりの原稿は30秒なんだけれど、それを自分で取材して原稿を書いて、それにデスクが赤を入れてくれて。毎日「今日は何のネタを話そうか」ってね。

それをやっていたら、今度は国谷さんがやっていらした「ワールド・リポート」っていう番組を引き継ぐことになって、「日本列島・ふるさと発」と同時並行で担当しました。それはイギリスのBBCやアメリカのABCのドキュメンタリーを買って、編集をして、それに付随する日本の情報をスタジオで補足して、ドキュメンタリーを見ていただく、という番組。

佐々木

私がやっていた「CBSドキュメント」みたいなタイプですね。

小谷

そう。テーマが似ている違う国のドキュメンタリーを、一つの括りにして放送したり。そうした変化球もおもしろかった。従軍慰安婦絡みの映画を作った韓国人の監督とスタジオトークして、それを編集して放送したり。結構、初めから、自分がおもしろいと思う仕事に携わらせてもらって……。その後、総合ニュース、地上波に行ったんです。そこでは生放送のルーチンワークに加えて、民放局とは違った生中継も経験して。

佐々木

そして、98年の4月にWBSのキャスターを始められたわけで、その直前が……。

小谷

ニュースステーションです。かをりさんと同じです。

佐々木

そうですよね。ニュース全体をやっていた立場からすると、経済番組を引き受けるときの覚悟って、いりますよね。

小谷

いりますよ。専門化するわけでしょう?
総合ニュース、ジェネラルニュースであれば、社会、国際、経済、政治と、ありとあらゆるものを担当する。たとえば「今日は社会ニュースのこれ」「明日は国際ニュースのこれ」と。日々、浅く広い知識を常に持ち合わせないといけない。あるいは、放送前日や当日に勉強しなければならない。

だけど経済ひとつに絞って、視点を定めてそこから、国際、政治関連のニュースを追っていくと違った景色が見えてくる。
それに日々の少しずつの変化を総合して、3ヵ月でこうなった、半年でこうなったということの深掘りが経済ニュースは面白い。
各局、ニュース番組はそれぞれ特色があり、違う。それはお互いのことを模倣しようとしてもできないんです。
志がお互い全然違いますから。それに、模倣するようになったら志は無くなったも同然だと思います。


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