佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野田聖子さん

衆議院議員


周りの人に、「結婚どころじゃないだろう、こんな仕事をやっていて」って

佐々木

そもそも子どもを産みたいとは、若いときはあまり思ってなかった?

野田

ずっと思ってた。というか、産み、育てるのが当たり前という発想。

佐々木

いつか産めばいいやと思っていたら、ということ?

野田

結局、気が小さいから、周りの人に、「結婚どころじゃないだろう、こんな仕事をやっていて」って。普通のOLと同じですよ。「こんなときに結婚?」「こんなときに子ども?」と言われ続けてきた1人。それに抗えなかった。

子どもが欲しい、子どもが欲しいと思いながら、川の流れに身を任せて。普通の人のように。じくじたる思いでやってきて、ようやく結婚できたのが40歳だったというのが私。周りを困らせてまで、結婚しようという意欲がなかったのかな。はっきり言えば、そこまで好きな人がいなかったというのもあるんだろうけど。

佐々木

日本のバリュー、物差しを変えていかないと、変わっていかないものがあるような気がするのね。長い時間働いて、土日も出勤するのが熱心な仕事の仕方だとか、そのときは結婚がダメで、子どももダメだったり。あるいは子どものために6時に家に帰るなんて、ふざけるなとか、ビジネスがうまくいってないのに何が子どもだ、とか。そういうマインドが、政治の世界でも同じだったわけでしょ?

野田

同じ。

佐々木

それがそもそも変わっていかないと。

野田

今言った、日本の物差しって、ネクタイを締めて、スーツを着て、少し加齢臭が漂うような、頑なで古臭いものなのよ。私の職場はそれしかない(笑)。

佐々木

よく飛び込んだね。

野田

分からなかったからじゃない。私の祖父が政治家で、結構いい人だったから。そんなにあくどくなくて(笑)。有名にもならなかったけど、悪い人じゃなかったから、政治はいい仕事だと思ってた。祖父からは、政治家は法律を作る人だと聞いていたから、本当に学校で教わる三権分立の1つの立法府で法律を作って、世の中をよくするって小さいころに聞かされていたから、こんな生臭い人たちだとは思ってなかった。

佐々木

大学のときは島ちゃんだったでしょ?

野田

そう。島ちゃん。

佐々木

だから、政治家として出て来た時、顔を見ると、知っている気もするんだけど、でも名前を見ると、野田聖子。そういう名前の子って、いなかったなあ。人違いかなって、最初の頃思ってた。後で学習をしたら、野田姓を残したいという強い思いをいろいろなところで語ってるじゃない。

野田

そうそう。

佐々木

初めは島ちゃんだったから、何で野田姓にこだわるのかと思ったら、おじいさまが野田姓でいらっしゃる。


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