佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野田聖子さん

衆議院議員


そもそも夫婦別姓の本流はアイデンティティーでしょう

野田

だから夫婦別姓の仕事もしてるけど、そもそも夫婦別姓の本流はアイデンティティーでしょう。自らのアイデンティティー。私の場合はアイデンティティーがないわけ。島聖子というのがオリジナルでしょ。それをもう変えているわけだから。私の場合はもっとプラクティカルにミッションみたいな、野田家を続けていくというときに、相手もそういうミッションを持っていたら、折り合いがつかないじゃない。前の夫がそうだったけど。

佐々木

そうか。

野田

そういう不幸をなくしていこうという、すごくシンプルな発想。どう考えても、同じ苗字を名乗ることで便利だなと思うのは役所だけなのよ、束ねられるから。世間では家族の絆がと言う人がいるけど、じゃあ、何で離婚するのよって。全然関係ない。夫婦別姓にすると離婚が増えるという人もいるけど、何を根拠にそういうのか。それともう1つ、夫婦別姓では子どもがかわいそうと言うけど、家では苗字で呼び合わないじゃない。子どもは名前で呼ぶ。だから本当に反対する理由があまりにもひどすぎて。

佐々木

そもそも選択性にしよう、ということだからね。

野田

そうなのよ。

佐々木

別に全員に強いているわけじゃなくて、チョイスが増えるだけなのに、なぜそんなに反対する人がいるのか理解できない。

野田

ムキになってね。それも神様が決めたならともかく、例えば聖書とか、宗教上の。明治23年ぐらいの、当時の役人が適当に決めた話じゃない。

佐々木

もっと言えば、苗字は、自由に選べるものね、結婚したときに。

野田

だけど面白くて。私も婚姻届を初めて出したけど、どっちの苗字を出すかってすごい小さいチェックだよね。

佐々木

私はね、自分で書かなかったんですね。母が勝手に。

野田

何それ?面白いお母さんだね。娘が何もできないと思って。私も今回、ちゃんとやろうと。こんな小さい欄だと見えなかったんですよ。私もう老眼が入ってるから。むしろ、問題なのは本籍地。あれこそおかしくて、自由自在でしょ。

佐々木

皇居が一番多いって聞いたことある。千代田区千代田1番が日本国で本籍地が一番多いんだって。

野田

苗字より本籍の方が大事な気がしない?

佐々木

だから戸籍制度を考え直したらどうかと私は思うけど。

野田

マジメに考えてほしい、反対している人も。本籍地をこんなにコロコロ変えていいのかってね。

佐々木

夫婦別姓の法律改正はいつごろいきますかね?

野田

民主党がすぐやってくれるって言ってたからエールを送っていたのに、いつの間にかポシャっちゃった。むしろ、民主党の方が反対勢力は強いらしい。

佐々木

女性議員が増えると変わるということはあり得ますか?

野田

自民党は女性議員の方が反対が多い。保守政党だから、支持団体に夫婦別姓反対の人が多い。女性議員って、そもそも選挙が弱かったりするから、強い支持母体が欲しいときに、彼らの主旨に合わせてしまう。

それで、最初のころは夫婦別姓について、何とも思ってなかった人が、気が付いたら、みんな反対に回っている。それはやっぱり、そもそも女性議員は選挙が弱いから、1票でも減らさないために、支持団体に「夫婦別姓に反対しなかったら、応援しない」と言われちゃうと、つい転んじゃうのかな。

佐々木

それは由々しきことですね。


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