佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

149

野田聖子さん

衆議院議員


日本は古臭い民法が分娩主義を取っているから

野田

そう。母親が誰かということ。産んだ人が母親となる。私はハーフの子を産んで、私と血のつながっていないイケメンの子を産んだけど、私は実母。でも向井亜紀さんは、自分の卵子で作ったけど、日本は古臭い民法が分娩主義を取っているから、自分で産んでないというだけで養子になっちゃう。本当の子どもなのに。向井さん、アメリカでは実母になってるのよ。アメリカの出生証明書では向井さんと高田さんが実の両親になっている。

佐々木

それはいつ変わるんだろう、そういう法律。戸籍の制度とか。

野田

これだけ医療が進んで、性同一性障害を認めるようになった中、卵子提供や代理母みたいなのは、戸籍の前の話じゃない。出産がなぜできないかというのは、デリケートな問題で、国民が話題にしにくく、秘め事になっちゃっているから。

不妊治療についてもまだ恥ずかしいと感じる人が多い。女の人が自分に劣等感を抱いたり、隠れて治療をしている人がほとんど。でも私は逆に声を大にしてほめてあげたい、よく頑張ってるよねって。

佐々木

隠れている人がどのくらいいるのか、私も知らないわけだけれど、でも私に「私、不妊治療してるのよ」って言った人は4人いる。

野田

国会議員でもいっぱいいるのに隠すんだよね。

佐々木

なぜ?

野田

子どもが後でいじめられたら、かわいそうって。

佐々木

なんで?よく分からないな、その理由。

野田

そこを変えていくのが国会議員だろって言いたいんだけど。だから私は息子と戦線を組んで、そういう空気を変えていこうと。いろいろ言われたよ。子どものプライバシー、卵子提供を明かしたらかわいそうだとか。でもバレちゃうでしょ。顔が全然違うんだから(笑)。私の子どもはたくましく育ってもらうために、正直に語るべきだなと思っている。

佐々木

私もそう思う。うちの子の心室中隔欠損症は、聖子ちゃんの事情と全く違うんだけど、それをいつ娘に伝えようかなって思ったときに、小さいときに伝えた方がいいと思ったの。だから3歳ぐらいのときに、あなたの心臓には穴が開いているのよと話して。でも全然平気で、毎日遊べるから、半年に1度はお母さんと一緒に病院に行って調べるって言った。彼女はショックもなく。そういうものかって受け入れていて。そして、外にも私は話した。隠す理由がないし、私が話すことで安心する人もいるかもしれない。

野田

それは母子の信頼関係よね。個性。向井さんのお子さん達も小学1年生になったんだけど、徐々に教えている。シンディっていう代理ママのことをね。シンディがいてくれたから、ママは君たちに会えたんだよって。

佐々木

それは重要だと思う。小さいうちから、話していること、大切だと思う。

野田

結局、精子提供というのは隠すのが前提だったでしょ、大黒柱の子どもということで。それが今、問題になっているから。

佐々木

誰が大黒柱か分からないじゃない。私は世帯主というのも嫌いなのね。

野田

どっちが世帯主?

佐々木

私は自分で書くときは自分を世帯主にしてる。世帯主の定義がわからないし。

野田

私は世間が私だろうって思われるのが嫌で、旦那にしてる。

佐々木

誰でもいいわけじゃない。年齢でもなければ、収入でもない。明確な定義なし。

野田

変だよね。私が世帯主を夫にしたのは、息子のいろいろな書類は世帯主のところに来るでしょ。見てほしいの。予防接種とか。父親としてコミットしてもらわないと困る。強制的に文書がいけば、父親も一緒に育てるという意識が目覚める、という期待もあって。

佐々木

それはどうかな。人による?


  • 10 / 15


バックナンバー

過去の一覧

ページの先頭へ