佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野口聡一さん

宇宙飛行士


宇宙飛行士仲間からじゃないと言えない

野口

そうですね。もちろん、医師団の判断がそこは優先されるんですけど、そうは言っても宇宙飛行士の立場からして、こういう状態なら会いたいだろうなとか、あるいは、これはやっぱりやめたほうがいいっていう、そういう判断も入ってきますね。あとは、健康な者同士でも、打ち上げ直前の飛行士はとても忙しいので無理させたくないという第三者的な判断が必要な場合もあるので、そういう場合には「このあと、次の訓練の準備をしないといけないから、とりあえず、おしまいにしましょう」みたいな話をすることもあります。こういうことは宇宙飛行士仲間からじゃないと言えないからね。

佐々木

なかなか言えないから、「私も、こういうときはこうだったけど、ここはこうなんですよ」みたいな話を経験者として話しをする。ご家族からすると、いくら楽しみにしていた日とは言っても、万が一のことというのも想定されるわけだから、常にどきどきしていて、一目会いたいとか、今どうしているのかしら、という不安な気持ちでしょうね。それを解消したり、その中で喜びとともに行っていただくための様々な人間関係をサポートするわけですね。

野口

逆の場合もあるわけですよ。飛行士も目の前のことでいっぱいになっていて、家族も遠慮しちゃって、せっかく近くにいるのに「いや、いいよ」という場合もあるんだけど、でも、「いや、緊張しているかもしれないけれども、この日は何もしなくて大丈夫だから、家族とゆっくり庭でも散歩していらっしゃいな」みたいな、そういう場合もあるわけです。それは両方あるんですよね。

佐々木

野口さんご自身のときはどうだったんですか? 1回目と2回目では、随分違いました?

野口

全然違いますね。1回目は、本当に自分でもすごく研ぎ澄まされているというか、ミッションのことしか頭にないというか、「ともかく、打ち上がったら、もうこの順番で、この作業をして、1日目、寝るまでに、少なくともこのページは全部終わらせないと」っていう。で、「もしかしたら、これは順番を変えたほうが早いかもしれない」みたいなことを、常に考えながらやっていて、そういう意味じゃ、本当に家族に対してもあまり余裕がない感じだったと思うんですよね。

佐々木

じゃあ、「今、会ったほうがいいんじゃない?」って言われた側ですか、どちらかというと。

野口

「会ってきていいよ」みたいなね。2回目のほうは、何と言っても1回行っていると、ずいぶん気分的にいろいろ予想がついて楽というのもあるし、長期の場合には、最初から全部は準備できないというのがはっきりしていて、行ってから考えるというふうに、割り切るので、わりとリラックスしていたと思いますね。だから、「とりあえず、今日はやることがないから、とりあえず家族と一緒に話をするか」みたいなね。子どもたちとも、ちょっと距離をとって話をするというので、できたんですね。医師団によって確認が出て。


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