佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野口聡一さん

宇宙飛行士


それがソユーズの座席の感覚に近いですから

野口

でも、ともかく今言ったような説明をバッとされて、こういう設定だから、あなたは今からシャトルで異常が起こって救出を待つ、と。もう袋に入りなさい、と。で、何時間待つか分からないけど、酸素は心配しなくていい、と。だけど誰も呼びに来ないかもしれないし、あと、隣のバッグを救出したときに、ボンと当たって、ぶつかって揺らされるかもしれない。揺らされたり、何かあるかもしれないけれども、パニクらないで待ってください、とにかく待ちなさいと言われて、入るんですよ。

佐々木

何時間、待たされたんですか?

野口

実際には、30分ぐらいでした。

佐々木

それは寝ていてもいいんですか?

野口

寝ていてもいい。

佐々木

それって、ベストアンサーは何だったんでしょうか? つまり、寝ていちゃいけないのか、寝ていても、リラックスしているということで、いいのか。もちろん、そこでパニックになってしまったら失格ですけれども、ただ落ち着いて見ていろと言われても、30分はもしかしたら起きていたとしても、もしかしたら寝ちゃうかもしれない。寝ちゃったら失格とか?

野口

寝ちゃってもいいんじゃないですかね。結局、中で入って、外からジッパーを閉めて、二重ジッパーで、しかもこれはロックされたら、中からは開けられないんです。

佐々木

本当ですね。すぐにサレンダーできるかっていうことだ。

野口

そのときに、仲間を信じて、じっとしていられるかっていう。だから、寝ていてもいい。

佐々木

で、じっとしていたんですか?

野口

じっとしていました。だから本当に膝を抱えて体育座りしているだけで。結局、それがソユーズの座席の感覚に近いですから。

佐々木

ソユーズは小さいですものね。

野口

まさに、そういう感じで座っているからね。


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