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本日はお忙しい中、お時間有難うございます。金重さんは、株式会社国際危機管理機構代表取締役社長でいらっしゃいますよね。
役人を退官するときの最後のポストが警備局長だったということです。
警備局長というのは、具体的にはどういうお仕事ですか。
警察の中には、たとえば、殺人、強盗、放火、窃盗、汚職などの取り締まりや、暴力団、来日外国人などの組織犯罪対策をやっている刑事警察とか、児童ポルノ対策など子供の安全を守ったり、少年非行の防止対策やストーカー対策など女性を守る安全対策などをやっている生活安全警察とか、サイバー犯罪対策の技術的な中枢となっている情報通信警察、あるいはみなさんご存知の交通警察とか、いくつかの部門があるんですが、その中の警備警察というところの責任者をしていたわけです。
警備警察の仕事というのは、一言でいえば、公共の安全と秩序の維持ということなんです。 具体的に言いますと、イスラム過激派、日本赤軍などの国際テロ対策を実施したり、北朝鮮、中国、ロシアなどによる不法行為―俗にいうスパイ活動などですね―の取り締まりをしたり、オウム真理教、極左武力集団、右翼などの不法行為の取り締まりを行うというのが大きな任務の1つですね。
もう1つは、地震、台風、集中豪雨などの自然災害に対処するという任務があります。これには当然、実働部隊が必要になります。その実働部隊である機動隊を編成・運用して災害警備をするというのが、警備局の大きな仕事になるんです。「東日本大震災」に際しても、全国から広域緊急援助隊という機動隊を編成して、3月11日以降、数10万人規模で派遣して原発事故地域からの避難誘導、被災者の救出救助、行方不明者の捜索、緊急交通路の確保、被災地の治安対策などをやっていて、現在も続いています。
それだけじゃーありません。警衛・警護という重要な任務もあります。まず警衛というのは、皇室をおまもりする警備活動のことを意味する専門用語です。天皇皇后両陛下をはじめ、皇太子同妃両殿下を含めた皇族方の警備をするのです。それから警護というのは、内閣総理大臣をはじめ各大臣や外国から来日される要人の身辺の安全を確保する警備活動のことです。テレビドラマや映画に出てくるSPと言われている人たちはこの警護に従事している警察官のことです。特に、主要国の首脳や要人が一堂に会するサミットが日本で開催されるとなると、大きな警備態勢を敷かなければなりません。ですから、ここでも全国の機動隊を集めて運用します。集中的にサミットが開催される場所に機動隊を投入して、警戒警備を行うことになるからです。
金重さんは、サミット警備を、担当されたんでしたよね。