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ILOのヤングプロフェッショナルというのは、どういうものですか?
これは比較的若手を対象とした5年間のプログラムで、最初の1年が本部で、それからフィールド、いわゆる途上国オフィス勤務を二つの異なる地域で経験し、最後の5年目に本部に戻ってくるというものです。つまり、本部、途上国事務所、もう一つ異なる地域の途上国事務所、本部という順番で、1年、1年半、1年半、1年、と異動するように組まれているんです。で、ラテンアメリカに行きたい気持ちも強かったのですが、敢えてアジアを見てみたいということで、最初アジアに行ったんです。何でこの順かというと、プログラムの中で強制的に2つの地域に行けるということだったので……自分にとっては未知の地域で経験を積んで、後々それを中南米勤務に活かしたかったのです。
知っていたら、私もやってみたかった。
YP(ヤングプロフェッショナル)は同期が10人。最初からILOの正規職員なんですが、仕事をすると同時に、集中トレーニングの機会を与えてくれるんです。メンター制度もありました。
で、年に2回、一緒に研修したりするんですが、それはすばらしいと思って、受けてみたんです。国際機関で職員採用後にここまで包括的な研修機会を与えて育ててくれることは珍しいのですよ。
制度は今もあるんですか?
レビューにかかっているというか、なくなったわけじゃないみたいですが、現在、YPの採用はしていません。
そもそもこれは、アプライすれば誰でも通るわけではないですね。
YPは、国籍に関わらずグローバルなコンペティションなので、世界中からキャンディデートがアプライして、そこから最終的に10人に。
何人アプライするんですか?
3000人近くと聞いています。
わ! 3000人の中から選ばれた10人なんだ。改めて荒井さんのすごさがわかります。どういう試験があるんですか?
最初に書類選考があって、それからニューヨークの国連のILOの事務所で面接。それからジュネーブに呼ばれて、面接とともに、筆記試験とか、面白いのが、いわゆる筆記試験だけじゃなくて、コンピテンシーを見る試験が一日掛けて行われるのです。分析したあと、それをプレゼンをしたり、グループ・ディスカッションをしたり、リーダーシップとか、チームワークとか、ディベート力とか、総合的なコンピテンシーを評価され、更にインタビューが組まれていて。そんな3段階の試験がありました。
じゃあ、3000人からの10人に選ばれた時は、自分でも「よし、やった!」という感じだったでしょうね。
「よし! やった!」というか、「これでフィールドに行ける!」という感じですね。