働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
現場やフィールドに行ってみて、これは日本の人に伝えたいと思うことはありますか? 先日の国際女性ビジネス会議の講演では、印象的な写真を見せていただいたので、「そういうことか」と、参加者にとってもすごく分かりやすかったと思うんだけど。
グローバルなビジョンを持ちながら、現場で仕事をすることです。Think globally, Act locallyとでもいいましょうか。そして、現場を勉強・想像するだけでなく、自分の目で確かめること。例えば、この写真。 スピーチでもちょっと話しましたが、これはモンゴルのマイナス40度の凍てつく大地、金山で、これは鉱夫であるお父さんとその子どもで、右側はガバナー、州知事さんに当たる方です。場所は、首都ウランバートルから3~400キロ離れたところにある金山。この親子はここの洞穴に住み込んで、採掘の仕事をしているんです。そこを原点とする金は、色々な人の手を介して国から出て、第三国で加工される。つまり、児童労働の問題は、グローバル経済とは無関係ではない。この場所に、child labor monitoringというのですが、児童労働モニタリングの制度を作ることになった。大切なことはモニタリングのメカニズムなんです。労働監督官を送るというだけではなく、いかにコミュニティの児童労働を見張る「目」を作るか、ということなので、実際に見に行って、お話を伺ったり、子どもに会いに行ったりして来ました。この凍てつく大地を、私は普通のトラベルシューズで登ったんです。ご覧のように、もうパンパンになるぐらい、いっぱい着ていますけど、これでもやっぱり寒くて。
すごく温かそうに見えるけど、マイナス40度なんですね。
日は照っているんですけどマイナス40度で、靴が靴ですから、皆がひょいひょい上がる中を、私はもう「待って!」って叫びながら、四つん這いになって凍っている斜面を懸命に登りました。これはやっぱり現場に行って見ないとわかりません。現場を見る重要性というか、この間の講演では、「グローバル現場主義」という言葉を使いましたが、実際現場に行って、自分で状況や問題を直接確認して、関係者と対話をすることで、自分の知識も深め、今後どういう対応をしていくか、どのようなメカニズムを構築していく必要があるか、を一緒に考えるということ、そして、国レベルの問題を、グローバルな視点からも捉えてみる、これは非常に重要ですね。更には、いかに本来、外部者である自分がone of themになれるか。そして、相手側に自分がone of usとして受け入れてもらえるか、がキーポイントになると思います。
モンゴルの金山、採掘現場を視察。