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世界経済フォーラム 男女格差・人材部門、シニア・ディレクター
今日はお時間有難うございます。毎年、世界経済フォーラムで「ジェンダー・ギャップ指数報告書」を出されていますが、日本はジェンダー・ギャップ指数が、2011年は135か国中98位。そして、なんと2012年は101位までランクダウン! この男女格差について間違った理解をしている人もいるようなので、まずは正しい説明をお願いします。
わかりました。男女格差に関する報告書はいくつか存在します。その中で、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数報告書は、文字通り男女格差を正確な数値で捉えたもので、女性の社会進出と経済力の「レベル」を示すものではありません。
「ジェンダー・ギャップ指数」報告書を毎年公表しているのは、先進国と途上国において、地球資源を男性と女性に均等に分配しているかどうかを、正確に理解するためなんです。つまり、ジェンダー・ギャップ指数とは、高等教育を受けることが出来た国民の数、仕事を得ることが出来た人の数、国家議員になった数を男女別に正確に把握する等が目的で、政策の分析ではありません。
男女格差を、ランキング順位だけで他国と比べることは出来ませんが、各種の点数を数年にわたって見ていくなかで、男女格差の解消努力において、世界の国々と比べて自分の国がどの位置にあるかが分かってきます。
ジェンダー・ギャップ指数では、アイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンがなどのスカンジナビア諸国がトップを独占していますね。
そうですね。スカンジナビア諸国は収入面では豊かな国ではないにも関わらず、男女格差が少なかったために、上位を独占することになりました。この結果には私たちも驚いています。
アイスランドにおいては、男女格差が85.3%まで解消されているということを数字は示しています。反対に、最下位のイエメンにおいては、男女格差は49%まで解消されているということになります。言い換えると、イエメンでは、女性には男性の約半分の資源しか分配されていないということです。
そんな中で、日本の状況をどのように読み解かれますか?