イー・ウーマン（ewoman）

私立のような公立が理想（marco302・海外・その他・39）

公立の学校がよいと思っています。私立のような同じ環境で育った子どもたちと同じ価値観で育てるよりも、いろんな価値観をもった子どもたちと分け隔てなく触れ合う機会がもてる公立学校は、私立よりも多くのチャンスを子どもたちに与えてくれると考えます。しかし、公立の学校は私立のような創立者が打ち出した明確なビジョンがなく、方針が揺るぎやすいのが事実。公立学校もビジョンやミッションをつくってほしいと思います。

学校が地域の要になってくれたら（にゃおん・埼玉県・43）

身近に教職が多く、校長経験者もいるなかで、日ごろから過酷な現場の話を聞くにつれ、自分はなりたくないというのが本音。地域の力を活かす以前に、地域そのものに交流がないと感じるところに住んでいるので、地域の学校とどう関わっていいのかさえ浮かびません。逆に言えば、子どものあるなしに関わらず、また、お年寄りや子育てが終わった世代も自由に交流出来る場であれば、公教育としても意味があるのではと思います。

ななめの関係（いぬいるか・東京都・51）

「市民のひとりとして、未来を担う子どもたちのために何かできることはないでしょうか」という問いかけについて考えました。議長のおっしゃる「ななめの関係」は、学校に限らずあらゆるコミュニティにおいて重要だと思います。私自身は臨床心理学のバックグラウンドをベースに、現在、コミュニティカウンセリングという新領域を勉強中です。今後は「相談できるおばさん」として、子どもたちや若い方達と「ななめの関係」を築いていきたいと思っています。

地域からも発信する（unagi・東京都・50）

私立のほうが教育方針に特徴をもたせられると考えていたので、議長の取り組みには関心があります。地域の力を教育に活かせるなら、まずは地域のことを知って欲しいと思います。そのためには学校側からの発信を待つだけでなく、地域も子どもたちに向けて発信していく必要があると思います。商店街で子どもたちが仕事を体験できる機会を設けるなど、企画を募るようにすれば、地域の活性化にもつながるのではないでしょうか。

器かどうか分からない（Tosuku・東京都・51）

私自身は日本の公立中学出身ですが、子どもは日本の学校ではなかったので、まず日本の中学の実情が分からないのが一つ。もう一つは自分に中学校校長になる器があるのかどうかが分からないのもあります。現在の仕事だけで精一杯なので校長の様な責任の重い仕事が出来るのかどうか、不安があります。また日本の学校の先生達は仕事量が多すぎるらしいし、一クラスの生徒数も多すぎる。我が子のクラスは20～25人位でしたので、それなら一人一人に目を届かせる事が出来ると思いますが。

marco302さんは「公立学校もビジョンやミッションを」とのお話ですが、公立でも学校によってはあるのです。しかし、「長すぎて覚えられない、何が言いたいのかよくわからない」という学校が多いと思います。また、私立でも創立時の理念が絵にかいた餅になっている学校もありませんか？
 
市ヶ尾中学校の生徒たちは、多分100％「市ヶ尾中学校の教育理念は？」と聞くと「自立貢献」と答えられます。自立して、世の中に貢献する人になってほしい、というミッションです。そして、学校便りを配布している保護者や地域の方も「自立貢献」ということをご存じだと思います。いつもこの「自立貢献」を外さず校長講話もするし、訴えています。
 
副題は「～Live your dreams（夢を生きよう）」。イチローのように野球と思ったら野球人生まっしぐらでもいいし、私のように、リクルートの営業マン→MBA留学→起業して会社経営→校長という、人から見たら一貫性がなくても自分の中でなんらかの筋が通ってるという夢の持ち方でもいい。でも、一度もったら命がけ。まずは走り出してみる。その時、自分になかなか自信が持てないのが普通。自分で「大丈夫かな？」と思う。でも自分を信じてみる。信じてあげる。そして一歩を踏み出す。それが、夢を生きるということだと思います。
 
しかし公立ですから、校長の異動があります。そこで、校長が変わっても学校の方向性が変わらないようにするために、こういった理念を引き継ぐ学校運営協議会があるのです。海外の例で言うと、学校運営協議会が校長の人事権も持っています。学校を支えるサポーターであり、辛口の友人のような関係。その緊張関係がある種のん気な学校の世界に風穴をあけると思います。
 
3.11以降、「人間は今後どのように生きていくのか」が大きく問われてるような気がしてなりません。大人も子どもも、学校はその学びをお互いに持てるいい場だと思います。先日も、NPOジェンの木山啓子さんをゲストスピーカーに、保護者や地域の方にも公開して、全校生徒で「東日本大震災復興のために私たちは何ができるか？」を考えました。授業の中では「あなたは避難所の責任者です。あなたの避難所では700人の人たちが非難しています。そこへ600個のケーキをもってきた人がいます。あなたならそのケーキをどうしますか？」と言う題で話し合いました。
 
「1人1個は当たらないから、持って帰ってもらう」と言う生徒もいたり、「食べられない人がいたら申し訳ないから我慢する」と言う生徒もいました。そこで、「市ヶ尾中学校の生徒は620人。この体育館に避難して3日間、何にも食べてないんだよ。そこに500個ケーキをもってきてくれた人がいる」とリアルな質問にすると、「絶対食べたい！　500個を半分ずつにして1000個にして、とりあえず半分ずつは食べて、あとはどうやって分けるかみんなで考える」など、いい意見が出てきました。
 
「公平」という概念がガラリと変わりつつある今、大事なのは、皆でそうやって論議していくということだと思うのです。そしてその論議の中に、保護者や地域の大人も入ることが重要だと思います。
 
価値観の変わりつつある世の中です。でもなにも恐れることはない。子どもも大人も、健全な魂がある限り、仲間と共に学んでほしい。絆を深めてほしい。そんな役割が果たせたらと思いながら、楽しく仕事をしています。
 
新聞等の報道などでも、先生の仕事の大変さばかりをクローズアップしているような気がしますが、どうしてこんなに面白い仕事を大変と言うのか、私にはよく理解できません。どんな仕事も大変だと思うのですが、大変だからこそ、子どもの成長が間近で見られる喜びの大きい仕事ともいえると思います。
 
1週間、本当にありがとうございました。

• 2011.07.25
• 平川理恵 横浜市立中川西中学校　校長