働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3165 開催期間 2012年05月14日- 05月21日
今日で最後になりますね。皆さま今回も沢山のご意見・ご提案、本当にありがとうございます。一人ひとりの投げかけを踏まえて、最後のまとめを書かせて頂きたいと思います。 ひとり親支援制度が主に記載されている法律は、母子及び寡婦福祉法といいます。この法律には相談員に関することや、公営住宅、雇用促進、そして生活・技能・修学・就業・就職支度金等などを無利子で貸し付ける、母子福祉資金貸付制度等などの支援制度が明記されています。 しかし「配偶者のいない女子」や「母子及び寡婦の福祉に関し」と明文化されているため、父子家庭を対象としていない現状があり、さらには父親に養育されている子ども達も支援の対象となっていません。法律の文言上でも母子家庭等の「等」に表現されているのが現状です。 僕は当初、働く女性の方々からは厳しい声が多いだろうと考えていました。もしかしたら「男のくせに」とか「働いたらなんとかなるでしょ」などの声が強いのでは? そんなことを想像して、今回の円卓会議の議長をさせていただきました。 でも皆さんからの温かい理解あるコメントを見て、父子家庭の支援を求める活動は世の中に必要なこと、また、父子家庭というカテゴリを通して現代社会を見たときに様々な提案ができる価値も再認識できたように思います。 「男性の意識が変われば家庭が変わる、地域が変わる、そして企業が変わる。それは父子家庭にとっても母子家庭にとっても、そして女性にとっても生きやすい社会となる」や「家族一人一人の家事力を上げることでセーフティーネットを家族で構築する」という発想も、考え方として持っていましたが、さらに大事な視点だということを再確認することができました。 最後に、日本で唯一父子家庭支援の必要性を訴える全国組織の現在の取り組みを報告させていただきます。全国父子家庭支援連絡会は、平成23年6月20日に(当時)厚生労働省の小宮山副大臣に面会し要望書を手渡しました。要望した項目は下記項目になります。 1)遺族年金の父子家庭への拡充策として、死別の父子家庭の父においても支給対象とするとともに、父と子が共に暮らしていても子に遺族基礎年金が支給されるよう改正すること 2)東日本大震災における被災された父子家庭支援として早急に母子寡婦福祉資金貸付金、高等技能訓練促進費事業及び特定就職困難者雇用開発助成金の対象を父子世帯にも拡大すること 僕は同様の項目の意見書を被災県から政府へ届けてもらうべく訴え、現在、岩手・宮城・福島県議会にて採択され、さらに、被災市町村議会からも採択して頂けました。その活動は他県の議会にも波及し、(平成24年5月現在)確認出来ているだけでも17の県議会96の市町村議会で採択されています。 震災がきっかけとなり、「父子家庭への支援が必要である」と求める声が高まり、被災県以外の議会においても、東日本大震災に限定しない形で要望項目が作られているところも多くみられています。 こうしたことが、父親が子育てや家事などにコミットする上で行政支援上用意されていなかった「男親へのセーフティーネットの拡充」に通じていることは、4日間の会議でご理解頂けたと思います。しかし、課題は山積みです。一番の課題は、男性が自分達にセーフティーネットが必要である事を想像しきれていないことにあるように思います。 そこで皆さんに、お願いがあります。是非、フェイスブックやツイッター、またはブログや井戸端会議、ランチや夕飯のときでも、機会あるごとに「父子家庭」を話題にして頂きたいのです。 今なお困窮している父子家庭の方々が沢山います。一刻も早い、母子及び寡婦福祉法と遺族年金の父子家庭への拡充が必要です。父親が子育てや家事にコミットしやすい社会を作っていくためにも、男性の背中をそっと押す女性の力でムーブメントを巻き起こして頂けたらと強く願います。 4日間本当にありがとうございました。 今後とも多くの女性からのご支援・ご協力を、よろしくお願いいたします。
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