佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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野口聡一さん

宇宙飛行士


僕も一般人で宇宙に行けたわけです

野口

宇宙開発においては、少なくとも競う感じにはなっていないというか。

佐々木

スパイ合戦は、ないんですか。

野口

60年代のようなスパイ合戦はないと思いますね。それぞれにわが道を行く感じで。ロシアはガガーリンさんの人類初飛行以来、宇宙飛行に関して非常に高いプライドを持っています。伝統を大切にする風土もあるし。だから宇宙開発といっても最先端技術ではなくて伝統職人、伝統手工芸に近い。「俺はガガーリンを知ってるよ」みたいなおじいちゃんががんばってたりして、長い間スタイルを変えてない部分も多い。でも、それでいいんですよね。枯れた技術をうまく使っているというか。片や、アメリカは日進月歩で常に新しい技術を取り入れダイナミックに変化してます。アポロ、スカイラブ、スペースシャトル、そして民間宇宙船。ただ今はこの次に何を目指すのか、はっきりしなくてぶれてる感じもありますが。

佐々木

でも、私、すごく不思議なんですけど、月に行けるなら、どんどん行けばいいのにと思うんだけど、行かないのはなぜ?

野口

アメリカにとっては月は一度行ってしまった場所なので、月だけをターゲットにした計画はたてにくいんでしょう。国民の理解を得られないのでは。

佐々木

私も宇宙に行きたいと思っていましたが、宇宙飛行士になりたいとは結びつかず、宇宙人に会いたいとか、円盤に乗りたいとか、そういう夢はありました。UFOは見たことがあるのですが。

野口

そうですか。そのときに乗ればよかったのに。

佐々木

一般の人たちが宇宙に行く機会っていうのは、出てくるんでしょうか。今は、お金を払えば行けるようになりましたが。

野口

それは一般人の意味にもよります。僕も一般人で宇宙に行けたので。だから、チャンスと、必要な訓練さえあれば、普通の人が宇宙に行ける時代にはなっていると僕は思います。お金を払えば行ける、という意味では既に宇宙旅行は実現してますよ。20億円払える人たちはもう何人もロシアから宇宙ステーションに行ってます。医学的に問題なければ、特別な訓練無しに宇宙に行ける時代はとっくに来てるわけです。

佐々木

あれは大丈夫なんですか?

野口

ソユーズ宇宙船の乗組員として宇宙に行くので、大丈夫だと思いますよ。仕事で成功して、お金があって、20億払える人は、その気になれば行ける世界にはなっているんですよね。

もう一つは、もう少し手に届く範囲で、飛行機に乗ってロサンゼルスに行くように宇宙に行けるのはいつか、というと、そこは、やっぱりまだ考え方がいろいろありますよね。ほんの10分ぐらいだけ弾道飛行で行くなら、2000万円ぐらいって言っていますけど、ああいうのでよければ、もう本当にそれは秒読み段階だと思います。


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