佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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佐藤尚之さん

コミュニケーション・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター

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コピーライターです

佐々木

大学を出てすぐには、どんな仕事から始まったんですか?

佐藤

コピーライターです。

佐々木

たとえば、どういうふうに任されるんですか。何チームの中で?

佐藤

たとえば、このペンの広告を作ろうってなると、このペンにはどういう特徴があるっていうことを全部調べて、市場調査もマーケティング部門にやってもらって、その中から一番言いたいことを1個に絞って、それをいかに人の心に伝わるように書くかっていうのがコピーライターの仕事です。で、コピーライターって、この商品の特徴は何で、どこを伝えるべきかって、ずっと理屈っぽく考えていくので、企画書が書けるようになるんです。企画書が書けると、キャンペーンを作れるんです。これをこう伝えるために、じゃあ、こういうメディアを使ったほうがいいね、とか。

で、キャンペーンを考え出すと、「ポスター1枚の完成度を上げるのが広告じゃないよな、本当は」みたいな目覚めが来るんですね。だんだんいろんな方策を考え出す。今考えたら、まだコミュニケーション・デザインって言葉がなかった当時から、コミュニケーション全体をデザインするような仕事をやってましたね。コピーライターはコピーだけ書いていればいいと言われた時代に。

佐々木

だけど大学を出て1年目の人がチームの中でコピーライターとして書く機会が、役回りとして回ってくるってことですか?

佐藤

僕、後で考えるとラッキーだったんです。関西支社だったんですよ、配属が。14年間。関西に全く縁もゆかりもないのに。

佐々木

大学を出てすぐに?

佐藤

すぐです。で、関西支社配属って分かった時点で辞めたやつがいるぐらい、当時は東京のほうがいいわけですよね。なんだかんだ言って中央にいる方がいいんです。広告業界は。ただ、関西がよかったのは、東京だったらたとえば「トヨタのキャンペーンの中の、雑誌の、しかもその中の「カーグラフィック」って雑誌の、コピー担当!」みたいにすごく枝分かれした先を任されてたんですよ。でも関西では違った。たとえばパナソニックでもハウスでも、大きいクライアントが関西にもいっぱいありましたけど、「お前にこのキャンペーンのコピー任せた!」ってボーンと全体を任されるんですよ。1年目とか2年目とかでも。

佐々木

それは人数が圧倒的に東京と違うから?


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