佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

152

金重凱之さん

株式会社国際危機管理機構
代表取締役社長

講演依頼について問い合わせをする

1日6万食が必要になるわけです

佐々木

実際に机の上で、青森から何人、北海道から何人で、こういうふうにやりましょう、というのもやるけれども、当然、青森から来た部隊が沖縄の県警本部長の言うとおりに動くとは限らないし、あるいは訓練活動の熟練度の差もある。今お話されたように、気候の違いもあると、体調も、寒いところと違う。ということで、実際にその人達に、どのような環境と意識の中で仕事をしてもらうのか。その集まった警察の方々が体調よく臨んでいただかないと、警備できないわけですね。

金重

そのとおりです。しかし、全国どの県の警察官も、その責務(会社でいう理念)は同じですから警備に臨む考え方に違いはありません。
もちろん、北海道と沖縄とは紫外線が7倍違うんですよ。ですから、有名な化粧品会社の研究所に行って紫外線対策のアドバイスを受けたり、それから機動隊員が沖縄で着用するインナーについては、風通しのいい、汗の吸収率のいいものを着させるようにしたり…。 あるいは、2万人の部隊っていうのは、単純計算すればわかりますが、1日6万食が必要になるわけですね。この6万食を作れる業者がありません。「うちは30食」とか「うちは200食作って、お弁当出しています」というところぐらいです。

佐々木

真夏ですから食中毒も考えなきゃいけない。それに毒を盛られちゃ困るっていうこともありますよね。

金重

毒はともかく、集団で体調を崩すと部隊活動に支障が出てきます。ということで、機動隊員のためにお弁当などを供給する業者さんたちの絶大なるご協力を得て組織化するんです。協議会を作って、もちろん、製造にあたっての安全衛生対策も考えます。当然、生産管理も行って、沖縄本島全体に展開している機動隊に対する配送システムも考えます。

佐々木

でも食材のチェックって、気が遠くなりますよね。だって、一番目立たない形で警察を弱めるのは、食事ですものね。

金重

まさにそうなんです。ですから協議会の皆さんには本当にお世話になりました。 それに、沖縄はハブが出てくるので、ハブ対策が必要になってきます。全国の機動隊の中には、ヒントを得ようとスネークセンターに見学に行ったり青大将を捕獲して、ハブの代わりにして対処訓練したりするところが出てきたり、とにかく、いろんなことをやってみんなまじめで熱心に事前訓練に没頭しました。

佐々木

VIPの隣でガードするというSP訓練だけではなくて、ハブの捕まえ方までやるってことですね。


  • 3 / 15


バックナンバー

過去の一覧

ページの先頭へ