佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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荒井由希子さん

国際労働機関(ILO)ジュネーブ本部
多国籍企業局 シニア・スペシャリスト

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それを実現させる場としての国連です

佐々木

日本人は国連でどんどん働いたほうがいいのでしょうか。国連で働くということを、日本の女性たちや男性たちにお勧めしますか。

荒井

その人にとって、自分がやりたいことが実現できる場であれば国連で働くことはお勧めですが、「国連に入りたい」とか「国連職員になりたい」という場合は、違います。よく質問されるんです、「国連に入りたいんですが、どうしたらいいでしょうか?」と。「何をやりたいんですか?」と返してみる。やりたいこと、貢献したいミッションがあって、それを実現させる場としての国連です、と。いかなる職選びもそうであるべきだと思うんです。そうじゃないと、入ってから「何だ、こんなところだったのか」とか、違うってなると、失望しちゃうんじゃないかと思うので。

佐々木

「子どもの目をキラキラ輝かせるために、私は何でもしたい」と思っているから、どんなハードルがあっても乗り越えるわけだし、逆に、国連のいろんな機関が与えてくれるオポチュニティとか、いろんな環境や人脈を全部活用して、「私はあそこに行く」といつも思っているから、情報も上手に使えるっていうことだと思うけど、逆に、別にどこでもいいんだけど国連と名のつくところに入りたい、というのだと、相当ストレスフルな場所でしょうね。でもそれはどこの会社もそうですね。

荒井

ただ、職場としては自分らしく伸び伸びと、クリエイティビティを生かせる場所だと思います。私にとってはパッションが追求できるところだし。というのは、日本人とかアメリカ人とか、なにかマジョリティとなる国籍や主流の考えが存在するのではなくて、皆違うのが前提。ミーティングすると、着席している職員の国籍もバックグラウンドもみんな異なる。で、これという正しいものがないし、自分も他人と違うというのが当たり前なので、いろんな違うアイディアをいかにうまく生かすか、という考えと空間があるんですよね。自分が他の人と違うってことを恐れなくていいのでユニークなアイディアを出したり、フリーにいろいろシェアしたり。逆に皆も、「いろんなアイディア、ウェルカム」で、ダイバーシティーはパワーの源である、という発想が根底にあります。

あとはワークライフバランスですね。職員として仕事をしながらも、一人間、one human beingってことで、プライベートライフに対してバリューが置かれているんじゃないでしょうか。自分らしい生活なり、自分らしい仕事ができるような気がします。オンもオフも最大限追求できるのが理想ですよね。


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