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少し垣間見させていただきましたが、特にジュネーブに住んでいるという生活が本当に素敵な毎日ではないかな、と思うんだけど。
そうですか? どんなところが?
場所もいいですよね。ヨーロッパのいろんな国にも近いし、山もあるし、湖もあるし、町もあるし、静かさもあるし、少しのドライブでフランスに行かれたり。どうですか、ジュネーブの毎日は。
留守が多いので、ジュネーブにいるときはジュネーブライフを満喫したいというスタンスでいます。冬はとことんスキーをして、夏は山に行ったり、ヨーロッパを楽しんでます。あと、週末はアクティブに運動して体力をつけたり、のんびりフランス側の朝市へ出掛けて季節の野菜や果物を買い込んでブランチしたり、リフレッシュしています。再度出る前に自分のコンディションを整える時間なわけで、食にもこだわりがあるかもしれません。
出張先ではすごく高カロリーだけど栄養がないものとか、あまり自分が好んで食べないようなものを食べたり、場合によってはグラノーラバーだけということもあるので、帰ってくると、基本、自炊で、和食です。たまに、豆腐を手作りしたり。あと、出張中に普段飲み慣れないビールやコーラを飲料水代わりに飲み続けることもあるので、スイスに戻るとデトックスします。
たしか毎朝走ってもいる。
はい、10キロ。今朝も走ってきました。朝10キロ走るというのは、今となっては習慣化しましたけど、もともと先輩に誘われて走り始めた頃、私は涼しい顔をして走っていく先輩についていけなくて、2~3キロで、もう、へーって感じだったんです。
それはいつ頃のこと?
去年(2010年)のはじめの頃です。去年も8月から12月までほとんど出張が続いちゃって、8月にジュネーブで佐々木さんにお会いした後、リベリアに行って、戻ってきて、1週間後にコートジボアールに行って、戻ってきて、イタリアへ二往復し、コソボに行って、アルゼンチンに行って、ジュネーブにてILO理事会があって、終わった途端にシエラレオネに行って、さあ日本に帰ろうと思ったら、こんなに飛行機に乗り慣れているはずなのに、しかも休暇で飛ぶのに、体が「ダメ! これ以上飛行機に乗りたくない!」って、めずらしく悲鳴をあげたんです。それで結局、去年の冬は初めてジュネーブに残って。でも、それなりに素敵な楽しい年末年始を過ごしたんです。
で、そこでの学びが、実は私の仕事、体力勝負の仕事だということでした。灼熱のアフリカで余り水分補給をせず動き続けられるのも、学生時代に部活で炎天下ハンドボールをして鍛えたお陰なのかもしれないけど、もっと体力が必要、これじゃだめだ、と。以前も出張中でも走れるような所ではジョギングに出るようにしていて、例えばシエラレオネでは山の向こうに真っ赤な太陽が昇るのを見ながら走ったりしていたんですが、今後は、たまに走るのではなくて、ルーチンとして自分の生活に組み込もう、と。今年も出張ラッシュというか途上国から途上国へとホッピングすることが予想されたので、去年の二の舞にならないようにと、出張中も休暇中も毎朝走ってます。
それに、一日の始まりの1時間って自分にとってはすごく大切な時間なんです。頭を空っぽにしていることもあれば、「今日は朝9時にインドネシアとテレコンファレンス、11時にダカールに電話をして、午後ここでチーム会議があって、5時から中南米4カ国とジュネーブを繋いでビデオ会議・・・」なんてその日のアジェンダを思い出している時もある。もちろん、鳥の声を聞きながら、新鮮な朝の空気を吸って、輝く朝日、山、湖を眺めながら走るのが大好きなので、自分にとっては朝走るというのは、非常に貴重な、自分と向き合う時間なんです。
「10キロ走って疲れないの?」と言われるんですが、おもちゃで、背中のねじを巻くとキコキコ歩くの、ありますよね。あれと同じで、巻けば巻くほど、私、元気が出るというか。なので、今となってはもう慣れたからですけど、5キロ走るともの足りなくて、やっぱり10キロ走ると、「よし、今日も一日、元気に行こう!」という前向きな気分になれる。