佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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荒井由希子さん

国際労働機関(ILO)ジュネーブ本部
多国籍企業局 シニア・スペシャリスト

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競争っていうのは自分との競争である

佐々木

すばらしい。子どものときはどういうお子さんだったんですか。東京で生まれて、10歳までは日本にいたんですよね? 

荒井

幼稚園時代は、覚えていることといえば、運動会での駆けっこは、頑張れば皆1等賞だったっていうことでしょうか。

佐々木

それはどういう意味?

荒井

駆けっこで全員一列に並んで、よーいドンで走りますよね。一生懸命に走って、最後まで走ったら、皆1等なんです。だから、1等、2等という理論がないんです。自分が頑張ったら皆1等というので、どうも競争っていうのは自分との競争である、というようなフィロソフィーがあったみたいです。それは今の自分には生きているのかな、と思います。他人との競争というより、自分との勝負だと思って頑張っていることが結構あるので、そういったスタンスとか考え方は、もしかしたら幼稚園にオリジンがあったのかもしれないですね。

佐々木

小学校は?

荒井

小学校は東京学芸大附属の小学校でした。

佐々木

私は横浜国大の附属小・中学校だったんです。荒井さんは小中高が学芸大ですか。

荒井

はい、最終的には。小学校3年までいたんですが、それから米国へ引っ越して5年間抜けていることで籍を失いまして、帰国してから、1回、近くの区立の中学校に1学期だけ通っているんです。で、編入試験を受けて中学3年で入りなおして、さらに受験を経て、学芸大附属の高校に入りました。

佐々木

さすが、優秀ですね。

荒井

運良く昔からの友達と、また一緒になれたのが嬉しかったです。

佐々木

ご両親の教育で、記憶にあることはありますか。

荒井

あまり、何かしなさいと言われた覚えがないです。自由奔放、やりたい放題で、「勉強しなさい」とか言われたことはないし。サンタモニカの小学校時代も、青空のもと、Tシャツやポロシャツに短パンで過ごし、クラリネットとか、テニスとか、そういうのは一生懸命やりましたけど、そんなに机に向かわなかったような。試験前に慌てて一夜漬け、は得意だったかも。

佐々木

本当ですか。お父様お母様は何をされているんですか?

荒井

父は長年金融業界で勤め、今は大学で教えています。母は専業主婦。米国に幼少時代行ったのも父の仕事の関係でした。ロサンゼルスの後、ニューヨークに転勤となり、家族も一緒についていったので、合計5年間米国に住みました。数年後、父は欧州のマネージャーとしてロンドンに転勤したのですが、私はそのとき、ちょうど高校受験の年にかかったので、母と一緒に日本に残ったんです。
私は一人っ子ですが、よく一人っ子だと近くに置いておくとかいう考えがありますけど、私、結果的に海外に出ていって、それも遠くまで、時には僻地まで行っちゃっているので、そこがちょっと違うかも・・・。

佐々木

お父様お母様は、由希子さんの活躍にお喜びでしょう。

荒井

活躍ってことはないですが、私がハッピーで仕事をしているというのは、見ていてたぶん分かってくれているし、いろんな国の話をしたりしているので、それを聞いて喜んでくれているかな。私がハッピー、元気、笑顔でいることが、遠くにいる両親に対して私ができる最低限かつ、ベストなことなのかな、と思っています。でも、政情が不安な地域に出掛ける時には、かなり心配を掛けているかもしれません。もちろんリスクのあるところに行くときとか、ちゃんと出発前にブリーフィングやトレーニングを受けているわけですけどね。佐々木さんもそうだと思いますが。

佐々木

いえ、私は何のブリーフィングも受けないで、突然「行け」でした。銃で撃たれたときに、初めて、テレビ局正社員とフリーランスの違いも感じましたし。帰国後のヒアリングも何もありませんでしたし。

荒井

過酷な労働ですね。命に別状なくて何よりですが、悪しき慣行をアピールしていかないとダメ。対話がないと、今後も労働者の扱いは変わっていきませんよね。サプライチェーンの話に戻すわけじゃないんですが、リスクが伴ったり、技術的に難しかったり危険な作業を、企業の直接の事業からアウトソースしちゃうケースも見られ、サプライチェーンの末端に行けば行くほど労働条件が劣悪になってしまう・・・というのと似たような感じですよね。でも、セキュリティのブリーフィングがないって危ないですね。国連には一応、セキュリティ・トレーニングの体制があります。クリアランスなしには渡航もできません。


下:小学校時代@サンタモニカ(母が作ってくれたカップケーキでBDパーティー)

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