佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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荒井由希子さん

国際労働機関(ILO)ジュネーブ本部
多国籍企業局 シニア・スペシャリスト

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”make your own kind of music”というのが小学6年生に対するメッセージ

荒井

私、幼稚園の頃からアメリカに行くまで、国立音大で週末にピアノとリトミックを習っていたんです。アメリカに行ってからはクラリネットを始めたんですけど、音楽は引き続き結構やっていました。で、今でも覚えている小学校卒業式のときのメッセージがあるんです。今後の人生において”make your own kind of music” というメッセージ。

佐々木

今、鳥肌が立った。自分の人生において、自分らしい音楽を奏でなさい、と。

荒井

はい。校長先生から卒業生へのメッセージ。長いスピーチじゃなくて、”make your own kind of music”という歌を卒業生、小学6年生に贈ってくれて、人生で自分のmusic、旋律を奏でなさい、と。

音楽は、クラリネット、サックス、トロンボーンといろいろやってたんですが、ソロもあれば、オーケストラやバンドで演奏したりもするでしょう?皆、自分の旋律を持ちながら、他のみんなの音を聞いて、その中で自分のポジションをとって、周りとの和を保つ中で一つの音楽が生まれる、ということでした。

その考えというか、自分の線は持つけど周りも見て耳を澄ますという音楽の経験は、今の仕事に役立っています。この間の国際女性ビジネス会議の、海外で働く流儀という分科会でも言ったのですが、いわゆる欧米的と言われがちな、周りの自己主張が強かったり、言うべきものは言わなきゃいけない、という環境の中で、対抗してガンガン言ってもダメで、周りの空気を読むのが必要。そういった意味で、周りとの和を尊ぶ日本人の美徳は国際社会でも通用すると思います。でもサイレント・ジャパニーズでいてはダメだから、攻撃的にならず「こうだ」と言えるスキルが重要だ、と考えます。

だから、クリエイティブでありなさい、自分の音楽を奏でなさい、でも周りとの調和とか和とかも考えないといけないんですよ、一方、周りと同じ方向へ流されるのではなく、自分の道を築くことに努力をしていく、というのは、振り返ってみると、さっきの幼稚園の、一生懸命走れば1等賞の話だとか、”make your own kind of music”とかとの関連が、無きにしも非ずかな、という気がしますね。


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