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そうか。皆さん、社長を退任されてから就任される。
社長とは限らないですけど、会社経営の経験者が多いですよね。社外監査役は弁護士さんなど、専門職の方々が比較的若くしてなられていますが。
ダイバーシティという視点から考えると、今の日本の社外取締役はほとんどが男性、60歳代でなっているということですね。本当に今後の長期課題ですね。
年齢も大きいですが、性別も極めて大きな課題です。社外取締役には独立心が求められるので、その意味では男性よりも女性の方が向いているのではないか、という意見があります。
どういうことですか。
実際、僕の周りにいらっしゃる社外取締役の方々の間には、女性はどこにも属さない立場で発言できる、という評価があります。僕たちの中には、女性の社外取締役を増やしていきたいという動きは実際にあるんです。佐々木さんが社外役員をされている会社は、お客さんが直接見えるようなB to Cの会社が多いですよね。
そうですね。
でもB to Bの会社となると、直接エンドユーザーが見えづらいので、なかなか女性を社外役員に、というところまでいかない会社が多いみたいです。社外取締役を迎え入れるかどうかは経営陣の決断なので、社会からのプレッシャーがないからなかなか難しい。株主からの要請もまだまだ弱い。
でも、社外役員に課せられた役割が、多様な視点で、経営をみて、指摘するということだとすると、B to Bの会社であっても女性の役員は重要だと思います。上場企業であれば、株主という人たちがいるわけですから、どういうふうに株主から見えるのかとか、見えてほしいのかということを考えると、女性役員は……
貢献できることはすごくたくさんありますよね。
はい。かなりできると思います。私は自分が社外役員をさせていただいていて思うんですけど、その分野での経験がなくても、その企業の人たちが考える視点や注目する点から何か抜け落ちているエリアを見つけることができれば貢献だと思っています。
おっしゃるとおりですね。
私が貢献できているとすれば、その抜け落ちているところを抜け落ちていませんかと質問することだと思います。そうすると、執行している方々や、あるいはその業界を熟知した社外役員の方々の盲点を、もうちょっと離れてみて、違うフィールドから見つけることができる。
そこはありますね。たぶんそれが社外取締役の強みだと思います。社外取締役というのは、答えをズバッと言うのではなくて、質問して気づいていただく、という視点が結構、重要じゃないかなという気がしますね。
質問し続けることかもしれないです。