佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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Saadia Zahidi
(サーディア・ザヒディ)
さん

世界経済フォーラム 男女格差・人材部門、シニア・ディレクター


国会議員、上級管理職、マネージャーの女性の割合は、日本ではわずか9%

佐々木

経済についてですが、私自身、国際女性ビジネス会議やイー・ウーマンを通じて、常日頃から、男女の賃金格差をなくし、女性の管理職・役員・起業家、議員・大臣を増やすことをテーマにしてきているのですが、日本経済社会はなかなか大きな変化が起きません。たとえば上場企業の女性取締役はわずか1%というのが日本の実情です。

ザヒディ

調査結果でも、まず労働力としての女性の社会進出指数は62%、男性は84%と格差が大きく、2011年の日本の順位は80位です。また、給与の格差から見ると、「同等」の仕事をしている場合に給与がどの程度男女平等かという項目では93位。

そして、高度な技術が求められる仕事に従事している専門家や技術職に限ると、日本の男女の給料格差はかなり狭まるものの、高所得国の平均が53%であるのに対し、日本は47%と下回っています。さらに、高額な収入を得られる国会議員、上級管理職、マネージャーの女性の割合は、日本ではわずか9%です。

佐々木

大学を卒業する時は女子学生の方が成績も優秀であると多くの大学関係者や企業の人事部は言いますが、社会にでて10年たつと全国の企業で男性が優位に立っている現実をみると、何か、仕組みに問題があるとしか考えられません。男女格差をなくすことは、長期的な国際競争力の強化と持続可能な経済成長のために、極めて重要でしょう。

ザヒディ

全くその通りです。日本は世界第2位の経済大国ですが、グローバル競争力指数の順位は10位です。ギャップを縮小することで日本の競争力が改善するかもしれません。国の国際競争力と男女格差の解消の間には、はっきりとした相関性がありますから。

もちろん例外もあります。サウジアラビアは、男女格差は大きいけれど国の国際競争力は高く、反対にレソトでは男女格差は低いけれど、国の国際競争力は小さい。しかし全体的には、国の国際競争力と男女格差の解消の間には、はっきりとした相関性があります。収入力との関係を考慮する必要がありますが、国の国際競争力と男女格差の解消の間には、想像以上に相関性があるのです。理由は簡単です。人的資本の半分は女性であり、それを充分に利用できていない場合は、長期的な国の国際競争力が弱くなるのは当然です。


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