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世界経済フォーラム 男女格差・人材部門、シニア・ディレクター
日本の印象をお聞きしてもいいですか? いろんな人にお会いになったと思うのですが、なにか他の国との違いを感じますか。
いえむしろ、日本における男女格差の問題が他の国と似ていることに、とても驚きました。正確に言うと、男女格差の根底にある理由は世界各国とても似ているということです。男女差別の根底にある理由は、基本的に、
(同時に)全く同じ(笑)。
ですよね。男女格差の解消を訴える人たちの論理は、基本的に同じです。男女格差を解消するために必要な「変化」は基本的には同じなのです。つまり、日本は特別なケースで男女格差の解消はとても難しい、ということにはならないのです。
ノルウェーが試行錯誤の末に実行しているシステムや、アメリカが男女格差の解消のために学んだことは、日本にも導入可能なのです。そして私はこのことは、問題解決のために非常に大きな「プラス」の要素だと捉えています。なぜなら、成功例から学ぶことが出来るからです。
本当にそう思います。私自身、25年間に及び日本国内で、女性と経済について見たり話したりしてきました。世界の国々で、このテーマを見てきましたが、本当に驚くほど、課題が同じなんです。でも日本は、「我が国は特例である」と言いたがる。
はい。確かに様々な違いがあります。しかし、根本が同じであることを理解して、良い事例から学ぶ。成功した事例を取り入れる、といった積極的な共有が大切だと思います。
しかし先ほどのお話で、米国は「男女格差解消のモデル国にはなれない」という意見が出ました。米国の状況についてはどう評価されていますか? 日本人の多くは、米国では男女格差の解消が進んでいると考えていますし、これはある意味では当たっています。なにかアメリカから学べることはありますか。