第15回国際女性ビジネス会議リポート

ランチョントークリポート

「Jazz HIKESHI ~ 戦争を予防する~マエキタ伊勢崎研究室とPEACE ADを考える」

  • 元アフガニスタン武装解除 政府特別代表 /
    東京外国語大学 大学院地域文化研究科 教授
    伊勢崎賢治さん

  • サステナ 代表
    マエキタミヤコさん

ランチタイムも終盤にさしかかり、参加者同士もすっかり打ち解けた頃、会場にジャズの音色が響き始めました。ステージに登場したのは“Jazz HIKESHI”です。メンバーを率いるのは、東京外国語大学大学院教授の伊勢崎賢治さんと、サステナ代表のマエキタミヤコさん。伊勢崎さんのトランペットを中心とした軽快なジャズの生演奏で、聴衆の心を掴みます。

マエキタミヤコさん

紛争問題の専門家・伊勢崎さんと広告のプロ・マエキタさんは「紛争には、それを支持する民意があり、その民意を作り出すのがプロパガンダ」と考え、平和をつくる広告=Peace Adの制作などを通じて、紛争の火種を小さくし(=火消し)、紛争を予防するプロボノ活動を行っています。趣旨に賛同する政治家からアーティストまで幅広い参加するその「HIKESHI」の普及に一役買っているのが、Jazz HIKESHIです。

伊勢崎賢治さん

演奏が1曲終わり、数々の武装解除に携わってきた伊勢崎さんが、「原体験」と呼ぶ西アフリカにある最貧国シエラレオネで手掛けた子どもへの福祉・教育活動、そして内戦について、自身が撮影した写真をスクリーンに投影しながら語ります。シエラレオネからアフガニスタン、さらに現在に至るまで、一連の話を通じて伊勢崎さんが投げかける、現代社会が抱える平和構築の難しさについて、参加者は深く考えさせられる貴重な機会を得ました。

ピースアドとは、戦争を生む広告であるプロパガンダに対抗した、戦争を止める平和広告。マエキタさんは「ピースアドはプロパガンダをクールダウンさせる」と語り、平和構築の分野で、メディアが持つ影響力について分かりやすく語りました。

また当日は、伊勢崎さんとマエキタさんが東京外国語大学で指導をしている留学生たちがピースアド作品を持って会場に現れ、それぞれの経験に基づく平和への強い想いとピースアド作品について語ってくれました。講演終了後、ピースアドに興味津津の参加者が作品にかけより、制作者である留学生たちに多くの質問を投げかけ、非常にインタラクティブな時間となりました。

注)出演者の肩書きは開催当時のものです。


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