働く女性の子育てに関する調査

日本の合計特殊出生率は、ここ数年、やや増加の傾向にある。民主党は、少子化対策として「子ども手当」の創設をはじめ、いくつかの施策を打ち出した。少子化について、自身の出産、仕事について、スマートコンシューマであるイー・ウーマンリーダーズはどう考えているだろうか。770名から回答を得た。

子どもを増やすには、経済的サポートよりも環境の整備を

日本は、もっと子どもが増えたらいいと思うか、という問いに対し78.2%が「はい」と回答した。では、どうしたら子どもが増えると思うか聞いたところ、「働く母親が仕事を続けられる職場環境」という回答が最も多く69.0%だった。次いで「0歳から小学校入学までの保育環境の充実」47.5%、「夫の理解と協力」34.9%という結果に。また、現在、子どもが1人いる人に、どうしたら2人目を産みたいと思うか聞いたところ、同じく「働く母親が仕事を続けられる職場環境」という回答が最も多く(59.8%)、次いで「0歳から小学校入学までの保育環境の充実」(49.5%)という結果だった。子どもを増やすために、働く女性たちが思っていることは、「出産にまつわる費用の無料化」や「児童手当・子ども手当などの現金支給」といった経済的なサポートよりも、環境の整備を求める声が多い、という結果となった。

[グラフ1]日本は、もっと子供が増えたらいいと思うか? [グラフ2]どうしたら、子どもが増えると思うか?(当てはまるものを3つまで選択) [グラフ3]どんなことがあれば、2人目を産みたいと思うか?(当てはまるものを3つまで選択)
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「働く母親が仕事を続けられる職場環境・制度」が無い 55.4%

子どもを増やすには、また、子どもが欲しいと思うには、「働く母親が仕事をつづけられる職場環境」が最も求められていることだったが、実際に、出産前後において仕事を続けたいと思うか、または仕事を続けたか、聞いたところ、出産前においては「仕事を続けたい/続けた」と回答した人が75.6%、「一度退職したい/退職した」と回答した人が17.8%であり、出産後についても大差がない結果だった。子どもがいない人においては、出産前に「仕事を続けたい」という回答が81.4%、「一度退職したい」という回答が2.9%、出産後についても「仕事を続けたい」という回答が72.3%、「一度退職したい」という回答が3.7%という結果であり、多くの人が出産前後も働きたいと希望している、という結果となった。出産前後に「一度退職をしたい/退職した」と回答した人に、その理由を聞くと「出産・育児に専念したい」という回答が最も多く78.3%、次いで多い回答が「働く母親が仕事を続けられる職場環境・制度がない」で55.4%だった。出産前後において仕事を続けたい、と思っている女性が多い一方で、出産前後において一度退職した人の半数は、その理由を職場環境にある、と回答した。近年、職場における出産・育児に関する制度が整ってきているようではあるが、環境という面で十分ではない実態がみえる。尚、3番目に多い回答であった「その他」には、退職理由が出産ではなく会社都合であったり、パートナーの転勤であった、という回答が見られた。

[グラフ1]出産前後、仕事を続けたいと思いますか? または、仕事を続けましたか? [グラフ2]出産前後に「一度退職をしたい/退職した」決定的な理由
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