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(吉田和正 / 佐藤理恵子 / 岩田喜美枝 / 吉田重久 / 村松邦子※)※ファシリテーターピアのリポートを読む
企業の社会的責任(CSR)が注目され、その意義が問われ続けている昨今。本分科会で、各社の経営姿勢、取り組みを実際に紹介してくださったのは、インテル社長の吉田和正さん、エイボン・プロダクツのディビジョンセールスマネージャーの佐藤理恵子さん、資生堂副社長の岩田喜美枝さん、日本和装ホールディングス社長の吉田重久さん。日々CSR業務に携わり、現場レベルでの問題の解決策や改善のヒントを、ひとつでも多く持ち帰りたいと希望する、問題意識の高い熱心な参加者が多数出席するなか、ウェルネス・システム研究所代表の村松邦子さんのファシリテートで分科会がスタートしました。
トップバッターの岩田さんは、CSRは事業活動のすべてをカバーするものだと提言。「今まで社会貢献活動とビジネス活動は別のものと考えられてきたが、今はこれらの距離をいかに寄せるか、いかにお互いにシナジー効果を出すかが大切」と、資生堂の取り組みを具体的に説明するとともに、これからのCSRのあるべき姿について抱負を語り、会場が共感の空気に包まれました。
グローバルカンパニーの代表であるインテル社長の吉田さんは、「未来は明るく創造していかなくてはならない」、「情報インフラが整備され世界がつながった今、地球規模で起きているさまざまな問題は、一社ではなく、手を取り合って世界規模で行動しなくては」とコメント。また「責任を持って具体的な解決方法を提示し、前に進み続けることが重要だ」と語りました。
きものや帯の販売仲介ビジネスを展開している日本和装の吉田さんからは、「文化とビジネスを結びつけること自体が自社の使命でありCSRだ」と述べ、雇用の創生と維持の重要性について説明するとともに、「五方良し(消費者良し、生産者良し、御取引様良し、株主様良し、社員良し)」で、五者が喜びを共有できる企業となることを目標に、今後も人が喜ぶことをやり続けたい、と会場に宣言しました。
女性の地域での活躍を促進し、「社会貢献活動タスクフォース」のリーダーとしても活躍中のエイボン営業部長の佐藤さんは、エイボンで取り組んでいる社会貢献事業の事例として「ピンクリボンウォーク」などを挙げ、「CSRは堅苦しいものと考えず、自分の会社の誇れるところは何だろうと考えることから始めては?」とご自身のセールスパーソンとしての経験を元に、会場に参加した多くの女性へ向けてメッセージを送りました。
会場からは、「日本独自に日本から発信できるCSRは?」、「大学とタイアップでCSR活動をしているか?」。「途上国のマーケット(ソーシャルビジネス)についてどう思うか」、「CSRのグローバル化についてはどう考えるか?」といった多くの具体的な質問が出されました。難しいテーマではありましたが、活発で有意義な議論が繰り広げられ、企業の存在意義について深く考えさせられる、示唆に富んだ分科会となりました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。
私の印象に残った言葉は「自分が何を言っても平気というのがないとダイバーシティまでいかない」と言う言葉でした。確かにダイバーシティ(多様性)はよく聞く言葉ですが、多様性を認める前に、本気で自分の言葉で伝えることができる人がどれだけいるのか。意見があるのに言えていないのではと考えさせられました。今後は会社のためにも、自分のためにも自分の意見は積極的に言い、言える雰囲気を作っていくことが今後の会社、私の存在意義だと思いました。