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女性リーダーとともに、管理職の魅力や課題などを考えていくこのセッション。午前の講演でも登壇されたインテルの江田麻季子さん、WHO(世界保健機構)の進藤奈邦子さん、経済産業省の坂本里和さんを迎え、ジャパンタイムズの大門小百合さんが進行します。
江田さんはアジア・太平洋地域を統括する管理職に就かれて10年以上。「大好きなマーケティングと、組織を育てること。両方ができて、楽しく仕事をさせてもらっています」と、現在の状況の魅力を語ります。進藤さんは、「WHOでは、マネジメントはひとつの職種。チームのリーダーとはまた異なるので、管理職トレーニングで徹底的に鍛えられます」と、国際機関ならではの特色とやりがいについて語ってくださいました。
昨年6月から管理職に就かれた坂本さんは、「まだ駆け出しなので、悩みながらの日々」と苦笑しながらも、「自らの裁量でいろいろと決められることが面白い。他の人と力と合わせ、てこの原理で前へ進んでいける喜びを感じ始めています」とのこと。大門さんも、深くうなずきます。 「新聞記者は一人で完結できるけれど、環境整備によって一人ひとりがもっと頑張れるし、合わせて大きな力になっていく。報道部長になって、そんなふうに視点が変わりました」
一方で、育児との両立、部下とのコミュニケーション、プレイングマネージャーとしての難しさなどで悩み、乗り越えた経験も惜しみなくシェアされます。会場のみなさんが参加する後半のディスカッションでは、管理職を目指す人のための心がけ、ダイバーシティ・マネジメントの進め方、メンバーのモチベーションを上げるポイントなど多くの鋭い質問があがりました。
最後に、みなさんから熱いエールが送られます。
江田さん「女性が管理職に就くことによって、決定権に参加する機会がさらに増えます。それが一番の女性進出のキー。ぜひとも多くの方に挑戦していただきたい」
進藤さん「これだけいろいろなこと考えなきゃいけない職種は他にない。機会があるならやってみないと、楽しい番組を見ないで終わっちゃった感じじゃないかと思います」
坂本さん「私は絶対に管理職に向いていないと思っていましたけど、やってみたら面白いと思えました。ポストが人をつくると、すごく実感しています」
大門さん「チャンスをつかむかどうかで、その後が大きく変わってしまう。ぜひ前向きにとらえていただけたら嬉しいです。管理職って、楽しいですから」
多くの女性に、管理職になって力を発揮してほしい──。それが、4人の共通する思い。その情熱に応える大きな拍手とともに、充実のセッションが終了しました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。
kazuoiさん
管理職を続けるにあたって、これまでの棚卸と今後につなげたいという気持ちで参加した。
日本での多くの管理職のスタイルはマネジメントとリーダーシップの併用だが、グローバルな視点ではマネジメントに専念する職である点にすごく感銘を受けた。
キャリアを積むためには、管理職という選択肢はいいと思った。会社の広範囲な視野で物事を進めることができるし、グローバルという観点でも仕事ができる機会であるので、すごくためになると思う。ただ、どうしても忙しいというイメージが大きいのは事実。自分で働き方を変えることにパワーは必要だが、やっていけばそれが社風を変えることにもつながる。私も今後もそのスタンスを変えずに、管理職という職責を担っていきたいと思った。