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円卓会議、第2セッションでは、この会議のみ英語・通訳なしで開催。ビジネスにおけるダイバーシティの推進が求められる今、私たちは多様な人材活用のスキルをどう身につければ良いのか。異文化コミュニケーションにおいて重要なことは何か……。この分野のエキスパートである4人の講師と、参加者のみなさんとが、多様な視点と経験をシェアしました。
現在、コンサルタントとして、ダイバーシティ戦略設計と変化を促すダイバーシティチームの指揮を行っているウェンデラ・エルセンさんは、異文化コミュニケーションにおいて重要なポイントは、「決めてかからないこと」。文化が違えば「当然」と思うことも違うから、相手の当然が自分の当然と思ってはいけないと、指摘します。
ダイバーシティとワークライフバランスの推進に力を注ぐパク・スクッチャさんは、「異文化コミュニケーションのプラチナルールは、「彼らが扱って欲しいと思うように扱うこと。相手に尋ねることも大切」とし、また、文化が融合する際には、それぞれのルーツやアイデンティティを自覚することも必要であると語ります。
開口一番、「落語のプロです」と会場を爆笑で湧かせた馬越さんは、「オープンアップ。心を開いて相手をジャッジをしないこと」が最も大切と言い、「ダイレクトな質問をインダイレクトに質問するスキルが、日本の社会をサバイブするためには必要」と、独特のユーモア溢れる口調で参加者の共感を誘います。
ファシリテーターのダーシーは、「尋ねること、よく注意して相手を観ること、アクティブリスニング」は、どのようなコミュニケーションにおいても重要とし、さらに、文化による「スピード感」の違いを指摘。EメールにはURGENTやASAPではなく、具体的な日時やデッドラインを書くなど、実践的なアドバイスも。
この会議では、早くも前半から、ダーシーが「インタラクティブなディスカッションにしましょう」と、参加者のみなさんにご自身の体験談や意見を求めました。 すると、過去16回すべての国際女性ビジネス会議に参加された日本人女性をはじめ、リビアから来て大使館勤務、日本で14年働いているニュージーランドの女性、香港・シンガポール・USと3つのアイデンティティを持つという女性、パナマの男性、海外経験はないがほとんど外国人のチームを率いるマネジャーの女性など。合計15、6名に及ぶ参加者の方が、次々とご自分の成功・失敗談や、そこから学んだ事、アドバイスなどを熱く語りました。
会場が一体となって考え、国籍も性別も年齢もバックグラウンドも異なる人々が意見を交わし、学び合い、讃え合う。このディスカッションそのものが、素晴らしいダイバーシティ・コミュニケーションの場になったことが、参加された方々の輝く表情からも感じられました。
注)出演者の肩書きは開催当時のものです。
Coco Bennieさん
My best trigger word from this session is “Opening our mind.” I’ve been working in multicultural office for more than 20 years, but still have some difficulties in communications. In my opinion, communication is supposed to be simple; be frank, equal, and assertive. I’m always conscious of these three as I communicate with people from all around the world. So I sometimes struggle with the very polite Japanese culture as we must express our feelings indirectly. I never think we can catch up the speed of global kaleidoscopic changes as long as we stick on politeness too much. So hope more Japanese to learn how to communicate with people with the different cultures. I also keep trying to do it for sure.
まおにゃんさん
会場には、ダイバーシティを地で行く多彩な参加者が集まっていました。私は、議論の途中から所々しか英語が理解できず、勉強不足を実感しました。理解できたのは「日本の企業はダイバーシティの準備がまだできていない」「国の差だけではなく、会社のカルチャーの差がある」こと、馬越さんが日本でダイレクトな質問をしたために答えてもらえなかったことなどでした。様々な国籍を持つスピーカーと参加者が討論する、この円卓会議こそ多くの人に参加して欲しいです。外国の方の発言はとても力強く積極的でした。グローバル化とはこの人たちと同じ土俵に立つこと。英語というまわしをしっかりしめなければ土俵にさえ乗れないのだと痛感しました。