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田村さんと富永さんはどういうお知り合いだったんですか?
僕はここに携わる前、元々、事業会社、電話会社に10年ぐらいいたんですけれど、そのときに資本の論理の目の当たりにしました。株主がどんどん変わっていくことによる経営への影響を肌で感じる機会があったので、いわゆるビジネススクール、社会人大学院に通って、コーポレート・ガバナンスや社外取締役の研究を進めていたんです。田村さんは、大学院で指導教官を務めていただいた中谷巌先生のお知り合いだったということで、中谷先生からの紹介を受けました。中谷先生も当時ソニーの社外取締役をしておられたので、団体の設立当初は広告塔としてご支援いただきました。
そうすると、事業会社で株主と経営との関係を見ていく中で、社外取締役の重要性に気づいたというか、もっと言えば、もっと社外取締役が機能する、あるいはもっと増えて、機能していくことによって、企業経営が良くなるとお考えになったということなんでしょうか。
そうですね。まさにそのとおり。
初めに社外ネットが取り組んだことは何ですか?
2つあります。まずは社外取締役ネットワークというぐらいですから、社外取締役のための情報交換のインフラをつくろうというのが最初の話です。もう1つは、当時の日本ではコーポレート・ガバナンスについての認知が低かったので、コーポレート・ガバナンス全般についての理解度を深めるための啓蒙活動を行いました。
情報交換のためのインフラというのは、例えばどういうものでスタートしたんですか?
社外取締役を務める方々に実際に集まっていただきまして、本音で話をしてもらう。そういう情報交換を目的とした場というのは、日本にはここにしかありませんので、他社の社外取締役というのは、どういうことを考えながら取締役会に参画しているのかといったところは、彼らにとって、極めて高い関心事なんですね。ですので、場があれば、後は自律的に議論が始まりますので、場を設定するだけで良かったというのがあるかもしれませんね。