佐々木かをりのwin-win 素敵な人に会いました、聞きました

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南谷真鈴さん

エキスプローラーズ・グランドスラム 世界最年少達成記録保持者


気付いたらエクスプローラーズ・グランドスラムを達成していたんです

南谷

はい。でも、途中は、トレーニングのために登っていたんで、七大陸のことは意識していなくて。たとえば南極大陸の最高峰を登っていた時、南極点に行こうなんて思ってもいなかったんですけれども、現地に行ったら行ったで、南極点へ行ってみたいと思ったんです。で、南極点までスキーすることがきっかけで、北極点も行き、気付いたらエクスプローラーズ・グランドスラムを達成していたんです。

佐々木

でも、そもそも短期間に登るというのは、どういった訓練や準備でのぞんだの? 私の知る限りでは、高山に登るためには、高地の酸素濃度の部屋で過ごすこと含めて、何ヶ月も訓練して準備して、やっと登るイメージなんだけれど、真鈴ちゃんは、2ヶ月くらいでどんどん登っているでしょう?

南谷

私にとっては、もう、次から次へと山に登ること自体がトレーニングだったんですよ。逆にそれが、高所順応を支えてくれて、それで長く続いたんです。一回高い高度のところにいって、東京とかに戻ってくると、すぐにパワーがなくなってしまうんですね。でも体が戻ることなく次から次へ登れるので、それ自体がトレーニングだったんです。

佐々木

そうか。街の体に戻らないうちに次々と登る。ということは、登る山は少しずつ高くしていったんですか? 順番はどうやって決めるの?

南谷

そういった要素もありますね。比較的簡単な山から始めて。あとは、シーズンで決めました。山に登るシーズンがあるのです。たとえば冬山は、このシーズンしか登れないという時期があるし、エベレストも登山シーズンが決まっているので。他の山は、それに合わせて決めて行きました。パズルピースみたいなもので。

佐々木

その準備やプランというのは、コーチがいて、一緒に考えたの?

南谷

いえいえ、自分で調べたんですよ! 相談する人がだれもいなかったんですー。いればよかったんですけどね。

佐々木

え? じゃ、自分で考えて、持ち物も考えて、山に登る申請も自分でしたの? でも一人じゃ登れないでしょう?

南谷

はい、チームも自分で色々調べて参加させていただいて。

佐々木

じゃ、半年一年前から、次々と2ヶ月ごとに登るというプランを立てていた、ということなのね?

南谷

そうですねー。でも今振り返ると、クレージーだと私でも思います。どうやったんだろうなー。そんな力は今じゃ、ないんじゃないかなー。

佐々木

どういうこと?

南谷

うーん。今は、なんだか落ち着いている感じなので。山登る時の、ガーというパワーが続いているわけじゃないんですよ。あの時と比べると、今の体つきが全然違うんです。今は、痩せてるというか、普通でしょう? 山に登っていた時は、誰もが「バーンとしてたね」といったように、私の体、はち切れそうな感じだったんで。

佐々木

がっちり、筋肉隆々だったんだ。日常的に筋トレしてたんですものね。

南谷

筋トレも、食べる量も半端じゃなかったんで、普通の人の2倍くらい食べていたんじゃないでしょうか。だって1日にサツマイモ5本ぐらい食べてましたもの。ステーキも毎週500gくらい食べてました。結構食べてましたねー。ジムに行ったり、山に行ったり、富士山にいったり。そんなトレーニングの毎日でした。

佐々木

すごいね。面白い。本当は一つ一つを詳しく聞きたいんだけれど、ポイントは、続けることかな。そして、心の求めることに情熱を注ぐこと。ひとつひとつ、「ここに何日までに行こう」って目標を立てて歩むというより、目の前にあるものに、ひとつひとつ挑戦しているタイプなんだよね。

南谷

はい。でも、父に、「やりたいことだけをやるんじゃなくて、やるべきことをしなさい!」って言われて……。

佐々木

それは、何歳の時に?

南谷

今。

佐々木

今!(笑)それで、大学にもきちんと通うようになった。早稲田の政経よね。

南谷

学校に行くこと自体は好きなんですけれども。あと2年間残っております。超難しい~

佐々木

真鈴ちゃんは、すごく強い感じのところと、能天気な感じっていうか、のほほんとした感じと、両方持っているのが魅力でしょ?


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