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会議番号:3080 開催期間 2011年02月21日- 02月28日
農林水産省は、南極海で続けてきた調査捕鯨が反捕鯨団体の妨害で続行困難になったとして、今期の南極海での活動中止を決めました。来期以降についても、続行するかどうか検討するとしています。国家の活動がNGOの妨害で中止されるというのは、珍しい事例と言えそうです。 調査捕鯨は、IWC(国際捕鯨委員会)が1982年に捕鯨の一時停止(モラトリアム)を決議、日本も85年に受け入れた見返りに87年から始めたもの。IWCの規約上は認められているものの、捕獲頭数を900頭程度まで拡大したため、反捕鯨国からは事実上の商業捕鯨だと批判され、グリーンピースやシーシェパードなどの妨害活動を受けてきました。調査捕鯨は規約で認められた活動であるし、ミンククジラなどは科学的にも十分な資源があるとされているのだから、捕鯨は継続すべきだ。国内需要が減っているのは価格が高いためで、捕獲頭数をもっとふやして価格を下げれば需要も拡大する。食料資源に不安が出てきていることからも、鯨肉は食料資源として見直さなければならない。捕鯨継続論は、こんなところでしょう。 一方の捕鯨中止論は、調査捕鯨は捕獲頭数が多く商業捕鯨の隠れ蓑と見られても仕方がない。IWCで捕鯨国と反捕鯨国とは拮抗しているが、モラトリアムを覆すのは4分の3の賛成が必要で、事実上不可能だ。鯨肉の需要も減っていることから、沿岸での小規模な商業捕鯨の復活を目指して、南極海での調査捕鯨は中止しなければならない。こんなところだと思います。 さて、まず今回の日本政府の決定は、妥当なものかどうか、このあたりから議論を始めましょう。いろいろな論争のなかで、捕鯨問題はなぜか賛成・反対双方のテンションが上がり、言葉も激しくなる傾向があります。紳士的にというか淑女的にというか、この問題については、冷静な議論を心がけましょう。
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