イー・ウーマン（ewoman）

あえてYES（yn58・東京都・48）

空爆のみでテロを抑えられるとは考えていませんが、空爆でISに打撃を与えるとともに、中東における権力の空白地帯をつくらないように国際社会が協力することが必要と思います。

教育の強化を（walk714・北海道・40）

空爆など武力行使で対応してテロが撲滅するのか、といえばNOだと思う。暫定的に終息したように見えるだけに過ぎないから。なぜテロ行為に走るのか、その真因は教育、経済格差、差別などであり長期で取り組まなければならない課題。極論だが、今、テロ行為を行う人を罰するより、未来を担う子どもがテロ行為に走らないような社会を作る、教育を提供することではないかと感じる。

解決策は働き口を与えること（ayaPa・神奈川県・40）

私は以下のように考えています。空爆をして、ISの人を次々殺していっても、ISの人がいなくなることはありません。フランスなど今いる国で職のない人が、ISの勧誘を受けて次々とIS側になっていくからです。ISになる元を絶つことが重要です。働き口があれば、命を懸けてISになるなんて危険な道を選ばず、ISの人数は減り、弱体化します。

陶酔していく危険な集団（violet-m・神奈川県・44）

自爆テロも行う集団ですから、空爆を強化しても「残虐な敵に被った名誉の死」と美化するのでしょう。迫害されるほどに陶酔していく危険な集団だと感じます。ISの元人質フランス人ジャーナリストの言葉を引用した記事がありました。「ドイツの人々が移民を歓迎している写真は彼ら(IS)を大いに悩ませた。連帯、寛容、……それは彼らが見たいものではない。」しかし、街中で銃を向けてくる集団に、どう寛容を示せばよいのでしょう。答えは遠いです。

100か0かの回答はできません（紅茶博士・東京都・48）

空爆によりISISの戦闘能力を減退することは可能です。なので、空爆は続けることで効果があると考えます。しかし、それで「テロがなくなるか」ということになると「無くなるとは言い切れない」としか言えません。そもそも会話の成立する集団ではないことは、今までの被害者の方々の殺害方法を見て、殺害を「ショーのような演出」することが目的なので容易に想像がつくと考えます。

自分が苦しいから他人を傷つける（Jerryb・東京都・48）

持たざる者は奪うしかありません。人が自暴自棄になったときに何が起きるかというのは、国家レベルのカミカゼ特攻を含めて歴史が証明していると思っています。ひとつの理念を唯一の正義と信じ込んで命を賭けるとき、他人の命は巻き込むべきものでしかありません。ISに合流しようとする人を思いとどめさせるのは、空爆で罪のない市民もろとも殺すことでなく、ごく原始的な欲求を満たすこと、衣食住と社会的な承認を与えることだと思います。きれいごとでは進まないのは承知していますが。

テロは防げない（いまいくん・埼玉県・52）

空爆だけでは「戦争」に勝てないことはベトナム戦争でも明らかです。近くは湾岸戦争やフセイン政権を倒した際も、地上部隊の投入で勝利を得ることができました。ただしそれがテロに対してとなると、ウサマ・ビン・ラディン亡き後もアルカイーダが存在していることで明らかなように根絶することは難しいと言わざるを得ません。そのような中でISの勢力を弱めるための一番有効な手段は、アブ・バクル・アル・バグダディの暗殺でしょうか。

相手を尊重し対話を（zun・愛知県・53）

毎日のニュースに心が痛みます。お願いだからやめてー！と叫びたい。空爆の下の子どもたちの恐怖や悲しみを想像して欲しい。空爆をすればするほど憎しみが増大し、テロリストを生んでいく現実をイメージして欲しい。甘っちょろいかもしれないけれど、根気よく「対話」をしていくしかないと思っています。傷つけられても仕返しはしない。「私たちは誰も傷つけない」と話しかけるしかないと思っています。それでは国の威信が保てないというなら、そんな威信はいらない。

武力は新たな憎しみを生むだけ（kobemama・兵庫県・52）

なぜ、今の状況になってしまったのか？　解決するには、その原因をつきとめ、解決するしかありません。詳しくはありませんが、おそらく世界の富や資源の再分配への不満が根底にあると思います。いつまでも、南北問題をほうっておくわけにはいけません。私たち先進国といわれる国の国民も痛みを伴う改革が必要だと考えます。

軍事・経済・教育でテロ根絶（Ａ６Ｍ２・愛知県・59）

空爆だけで決着がついた戦闘は無かったと思います。私は対症療法として地上軍の派遣と、漢方薬的な根治療法として、産業振興に結び付く経済援助（含、工場進出）と教育振興が必要だと思います。イスラムの教えは相互扶助と平和愛好の筈です。一部の狂信的な原理主義者・過激派がイスラムに対する誤解と偏見を広めることを懸念します。

空爆でテロを根絶することができると考えている方はほとんどおられない、ということだと思います。YESと答えたyn58さんも、「あえて」と留保をつけておられます。しかしそれではどうしたらいいのか、ということになるとviolet-mさんが書かれているように「答は遠い」し、正解はないのかもしれません。それでもそこへの答を探そうとせず、テロを非難し、爆撃を非難しつづけるだけでは、私たち自身も何も進歩しないのではないでしょうか。
 
zunさんは、根気よく「対話」をしていくしかないと言われます。それは「甘っちょろい」かもしれないと留保されてもおられます。ただ国はzunさんの言われるような「威信」をかけて攻撃しているのではないでしょう。報復するのは威信のためではなく、国民の生命を守るためにやらなければならないと考えるからです。もちろんその道しかないというわけではないでしょうが、少なくともテロに対してまったく行動しないというのでは国民をまとめていくことはできないのではないかと考えます。
 
テロは一種の政治行動でもありますが、同時に犯罪でもあります。オウム真理教のケースを考えてみてください。オウムの場合も「国家転覆」を標榜していました。したがって地下鉄サリン事件などはそれなりの政治行動でもあります。でも私たちの多くは、その政治を理解しようとするよりは、犯罪集団を逮捕することを望みました（私もその1人です）。なぜオウム真理教と話し合おうとしなかったのでしょうか。話し合っていれば何か変わったのでしょうか。
 
こうした状況を考える時、歴史をどこまで遡ればいいのかということもひとつの問題です。イラクやシリアの国境線はイギリスやフランスといった欧州列強が恣意的に引いた線です。それがISISのひとつの根拠ともなっています。そしてアブ・バクル・アル・バグダディというISISの指導者は、この土地はイスラム教徒のものだと明言しています。そして十字軍への反攻として、ローマを占領できるとも語っています。ユダヤ人だったらバビロン捕囚まで遡るかもしれません。
 
さて皆さんにお聞きします。たとえば日本でISISがテロ事件を起こしたら、日本の政府にどう対応することを望みますか。東京で爆弾テロがあり、そこで何十人もの犠牲者が出て、ISISが「欧米に追随する日本に鉄槌をくだした」という犯行声明を出したとして考えてみてください。



★藤田議長の過去の円卓会議より
・自民党総裁選が無投票、これでいいですか？
・ウクライナ問題、気にしていますか？
・集団的自衛権行使容認、あなたは賛成ですか？
 

• 2015.11.30
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹