働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3665 開催期間 2021年11月19日- 11月16日
たくさんの投稿をありがとうございます! Achikoさん、シンゴパパさん、Jerrybさん、しろえちゃんさん、cheetanさん、パフィンドーナッツさんの知りたい、という熱意に胸が熱くなりました。また、前回の円卓会議にご参加くださったり、テレビ番組も視聴してくださった皆さん、アフガニスタンのことを知ろうとし続けてくださってどうもありがとうございます。 まだまだ知らないよ、というコメントをいただいて自身の伝える努力の足りなさを痛感するとともに、せめてこの一週間は、少しでも現地のことを知っていただける様に努めますね。その後は、真打ちさん、Achikoさんやcheetanさんの様に日本の報道だけでなく、NGOや国連のサイトや報告会などにも目を向けていただければと思います。 さて、シンゴパパさんやJerrybさんの、移行のプロセスやなぜ政権が機能しないのか、という疑問、もっともだと思います。私自身は研究者ではなく、日々の現場とのやり取りや資料からの学びを基にした意見ですので、誤った理解があり得ることをお断りした上で、この疑問の答えを皆さんと一緒に考えたいと思います。そこで少し乱暴ですが、「日本の政権交代と明治維新の掛け合わせ」に置き換えて考えてみることを提案します。研究者であればやるはずのない無謀な比喩ですね。 これはもちろんフィクションですが、こんなことが日本で起きたらと想像してみてください。例えば、日本でA党からB党に政権交代したとします。A党は、米国の庇護の下に政権運営をしていて、日本国民の資産のほとんどは、米国の銀行に預けてありました。政権交代の3か月前から公務員の給与は未払いでした。B党はX教の信者を中心にした政党で、X教の教えに基づいて統治するという公約を掲げて政権を奪取しました。米国は、X教ではなく民主主義に従って統治すべきと主張、日本国民の為だとして、日本国民の資産全てを凍結しました。B党は、資産凍結されたからといって公約を破ってX 教による統治を廃することはできないので、資産凍結の解除がいつになるか、誰にも判りません。政権交代から3カ月経ち、公務員の給与未払いは、6カ月に及んでいます。過去3年間は、大干ばつで農業を営む人々の貯金は底をついています。 これに明治維新との掛け合わせが加わります。江戸時代は、徳川将軍家が権力を握っていたとはいえ、各藩での統治は、各藩主に任されていて、中央集権的な国に日本がなってゆく過程は、明治維新以後、徐々に進められたと理解しています。アフガニスタンは今まさに中央集権的な国になる途上にあります。 仮にこのような状況だとして、日本の公務員は、半年間、給与が未払いでも、そして給与支払い再開がいつになるか目途が立たなくても、働き続けてくれるでしょうか? いつか支払われるという確証がなくても、全力で働いてくれるでしょうか? 生活保護や社会保障の手当、国からの年金などが全く支払われなくても、日本ならば飢える人が出ないでしょうか? 国家運営の資金が皆無でも、B党は政権運営できるでしょうか? お金という経済の血液がほとんど止まった状態で、会社も運営できません。 アフガニスタンは、これに加えて、人々の教育レベルが日本ほど高くなく、成人識字率も2020年で43%とのこと。大人の半数以上が文字の読み書きも計算もできないと、元々持っている能力を発揮することも難しくなります。 アフガニスタンでは、2001年以降20年間をかけて、世界中の支援を受けて、各地の部族による群雄割拠の時代から、中央集権的な国になってきました。例えば、教育省の出先機関が各県にあり、様々な組織は、中央省庁に法人登録しつつ、日々の業務に関連する認可や登録などは、県レベルの出先機関で行うという仕組みが確立されたところでした。この仕組みを保持するためにも、20年間の努力を無駄にしないためにも、国家運営ができる様、支える行動が必要になります。 もしこのようなことが日本で起きたとしたら、私たちは国民として何ができるでしょうか。あなたならどんな行動をしますか? 想像してみてください。そして、それと同じことをアフガニスタンの人々が自力で行うために、現在の私たちにできることは何でしょうか? 簡単に答えの出る問いではありませんが、一緒に考えていただけると嬉しいです。
★木山議長の過去の円卓会議より
・アフガン情勢、ウォッチしていますか?
・厳しい状況下。誰かを励ませていますか?
・日本で「難民の就労」を増やす、いい案ありますか?
★テーマに関連する講演(2021年9月12日開催 第26回国際女性ビジネス会議より)
「私の見たアフガニスタン」安井浩美氏(共同通信社カブール支局通信員)
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