働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3732 開催期間 2024年01月12日- 01月19日
皆さま、お久しぶりです、元フジテレビの織田と申します。 一週間お付き合いいただければ、幸いです。 現在金沢に滞在して、この文章を書いております。わたしの両親(父は90代、母は80代後半で認知症)はいずれも石川県出身で、現在は金沢のサービス付き高齢者向け住宅に住んでいます。 介護や病院への送り迎えなどのため、わたしは千葉の自宅との間を月に一度行ったり来たりする生活を一昨年から続けていました。 そんな中、元日の地震は千葉でも揺れを感じるほど大きなものでした。ご存じの通り、元日の地震で石川県能登半島は震度7の揺れに見舞われ、ここ金沢市内も震度5強を記録しました。両親の住むマンションは建てられてから日が浅く、建物自体に被害はまったくありませんでしたが、さぞや不安に思っていることと思い、新幹線が運行を再開した翌日の1月3日に金沢入りしました。 その後も能登半島では震度5以上の大きな地震が相次いでいます。その際には金沢市内は震度3くらいの揺れに見舞われることになります。その他の揺れのほとんどは震度1~2で、座ってじっとしているときには気付きますが、立って動いているときには、気付かないこともよくあります。 しかし、金沢市内の海岸に近い地域では、かなり広い範囲で「液状化」現象が起こっています。 そして、ここからわずか100kmあまりしか離れていない、輪島や珠洲など奥能登と呼ばれる半島の先端に近い場所では、多くの建物が倒壊し、津波や大規模火災が追い打ちをかけるといった目を覆うような惨状が広がっています。 地震発生から10日あまりが経過しましたが、まだ多くの不明者がいます。孤立した集落が多くあり、いまだに被害の全体像は見えません。 テレビ局の報道や情報番組の取材や放送を司る立場にいたものとして、こういった大規模災害の際に、どのような内容を報道するのかということに、常に頭を悩ませてきました。 もちろん地震が起きた当初は、被災した方々の命を守るために何ができるのか、どのような情報を発信すればよいのかということが、最も優先されます。 大津波警報が出ているので、一刻も早く海岸から少しでも離れて高台に逃げてほしい、大規模な火災が起きているので、巻き込まれることのないよう、安全な場所に避難してほしい、そういった行動を判断する情報を、途切れることなく伝え続けます。 救出活動につながる情報は、当然のように優先されます。 災害発生から72時間という時間は、無事に救出できるかどうかの分かれ目に一つとして、広く知られるようになりました。 なんとか72時間を経過する前に、一人でも多くの命を救いたい。 特に寒さの厳しいこの季節の救出活動は、低体温症との戦い、一刻を争うのです。 その後は、先の見えない避難所生活などで健康や体調を崩さないようにするための情報なども、少しずつ増えてきます。 被災した地域の高齢化率が高いことは、皆さんも想像がつくと思います。「災害関連死」という言葉が頻繁に伝えられるようになってきています。 今週のテーマですが、「今の災害報道。もっと改善できますか?」として、様々なご意見を募集したいと思います。YESの方は、災害報道のどういう点に疑問を感じているのか、その理由についてもぜひお寄せください。 そして可能であれば、こうしたらよいのではないか、こうしてほしいという具体的な改善策についても言及していただければ、議論がさらに深まると思います。 もちろんNOの方もいらっしゃるでしょう。 こういう点が良い、この点は現状でも良いのではないかという具体的な指摘をいただければ、不眠不休で報道に携わっている人たちにとって、何よりの励ましと大きな自信になります。 ですので、YESという方であっても、ここは良いという点がありましたら、ぜひ合わせてご指摘いただければと思います。 例えば、今回の地震を表現する際に、震源が×で示された地図が頻繁に示されるのですが、今回のような大地震の際は、その図を見ただけでは、揺れの実態を上手く感じとることができないのではないかという点を指摘したいと思います。 震度7を記録した志賀町や、大きな被害を出している輪島市は、震源の×からやや離れています。この地域でなぜ最大震度を記録し、多くの建物が倒壊し大規模な火災が起きたのかということを、直感的に理解しづらいと思われます。 大きな規模の地震になると、震源の×は最初に断層が滑り始めたところを指し示しているにすぎません。今回の地震では、その規模から考えて、100km~150kmくらいにわたって断層が動いてズレた可能性があります。今回の揺れを引き起こしたと見られる断層を地図に線で描き入れると、震度7を記録した志賀町や多くの建物が倒壊し大規模な火災が起こった輪島市が、断層からいかに近い場所にあるのかということを実感できます。 こういった大規模な災害が起きたときには、その原因や理由、メカニズムを理解できることは、安心につながる可能性があります。そしてこれらの正しい情報に接した人たちは、次の災害に見舞われたときに、命を守る行動を支える正しい判断につながるような様々な教訓が得られることになります。 これは報道の非常に重要な要素の一つではないかと思っています。もちろん、どの断層がどの程度動いたのかということの詳細は、専門家の解析を待たなければなりません。 それでも、直感的に理解できる方を優先して、解析がすすむごとにその図を正確に修正していく方が、良いのではないでしょうか。 「地震の表現=震源×」という固定観念にいささか囚われているように思います。 皆さんはどのようにお感じになるのでしょうか。 地震による災害報道は、こうした方がよいのではないかという点が、まだまだ多くあるように思います。 素朴な疑問や様々な専門の立場から見た改善点、改善方法など、ぜひ多くのご意見をお寄せください。★織田議長の過去の円卓会議より・被害者の実名報道。必要ですか?・藤井聡太さん、活躍。将棋への関心は高まりましたか?<運営事務局より>投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。・自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿は、「私は」を主語に変更させていただく場合もありますのでご了承ください。・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。・議長からの各日の投げかけ(赤字部分)に答えた内容で投稿してください。
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