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会議番号:3713 開催期間 2023年03月24日- 03月31日
皆さん、投稿ありがとうございました 参考になる内容ばかりで、皆さんがこのテーマに真摯に向き合い、ご意見を寄せていただいたことがよく分かるものばかりです。 まずは代表的な意見をご紹介しましょう。 YESでは 「名前は知りたい。自分の知り合いではないか、安否はどうなのか」(DiamondBarさん)というご意見が寄せられました。何事に関しても隠し立てせずに、きちんと知らせてほしいという実名報道の基本とも言える考え方です。 また(blueberry53さん)の「マスコミ側が被害者、被害者家族に寄り添う姿勢で報道するならば実名でもよい」というご意見は、条件付きでYESという感じですね。 一方でNOの投稿ですが、 「公益・集団の利益のために個人が犠牲になるのは本末転倒です。自分が嫌なことは他人にしない(Mioさん)」というご意見です。この問題について、皆さんが多かれ少なかれこのように感じているのではないでしょうか。非常に参考になるご意見です。 そのほか 「必要な理由が分からない!」(シンゴパパさん) 「実名での二次被害」(真打ちさん) 予想していたとはいえ、NOの方がかなり多くなっています。 わたしが、この問題について考えるきっかけになったのは、「インド洋大津波」という地球規模の大きな災害でした。 この文章をお読みいただいている皆さんの中で、この出来事をよくご存じと言う方は、そのまま次の文章に進んでいただいて構いません。 よく知らない、もしくは忘れてしまったと言う方は、少々お手間を取らせますが、ネット検索などで調べていただければと思います。 どうですか? 実は、当時のニュース記事などが、あまり検索で引っかかってきません。全容を把握することが、意外に難しくありませんでしたか? 亡くなったり、行方不明になったままの日本人は40人以上にも上ります。 こんなに多くの日本人が犠牲になっていたのかと驚いた方も多かったのではないでしょうか 発生したのは2004年12月26日。日曜日でした。わたしは当時ニュース系情報番組のチーフプロデューサーという立場で、年賀状を書いていた手を止めて、あわてて出社したことを,今でも覚えています。 実はこのとき外務省は、亡くなった日本人について、氏名を公表せず、性別と年齢しか明らかにしませんでした。 ニュースを伝える側としては、多くの日本人が関心を寄せるであろう、どのような事情で現地に赴き、そしてどのような状況で津波に巻き込まれたのかということを取材する手がかりがありませんでした。 もちろん地球規模の災害ですから、連日その津波の映像や被害の状況、地震と津波のメカニズムについて多くの時間を割いて放送されました。 しかし外国での出来事という壁を打ち払って、ニュースに接する人にとって、自分の身にも起こるかもしれないという意識を、しっかりと持たせることが出来なかったのではないかと、今も感じています。 これには、他のいくつかの要因も影響していると思います。 暮れも押し迫った時期で、すぐに年末年始に突入し、テレビのニュース枠が少なく、新聞も休刊日や夕刊がなくなる時期だったこと。 日本人は年が改まると、気分が一新されて、前年の出来事が古く感じる傾向にあります。年の瀬という直近であっても、前年のニュースということで、興味はやや失われがちです。 ちょうど個人情報保護法が成立し、施行される前後の出来事で、どのように被害者の情報を扱ってよいのか、お役所が手探りだったことも影響しているかもしれません。 その後「東日本大震災」を経験したことで、この出来事の記憶が上塗りされてしまった面があるのではないかとも感じています。 この出来事について知っているか、大学の授業で必ず聞くのですが、ほとんどの学生が知りません。地球規模の大災害で、日本人の犠牲者が40人にも上ると聞くと、皆一様に驚きます。生まれる前後の出来事ですから、周囲の誰かが語り伝えていないと、知る由がありません。 会議1日目に触れた「公共性」と「公益性」という考え方を、この出来事に当てはめてみます。 「公共性」と言う意味では、先ほどから触れている地球規模の大きな津波が発生し、沿岸の国を中心に22万人以上の人が亡くなり、多くの日本人も巻き込まれたこと。その事実を広く社会に伝え、この出来事について、みんなで語り継いで忘れないようにすること、情報を共有していくことに象徴されると思います。 「公益性」ということで言うと、この災害の教訓について、広く日本の社会全体で共有出来たかということを意味しています。 例えば、日本だけでなく海外でも大きな津波に巻き込まれる可能性があること。 大きな津波を引き起こすような海溝型の地震は、今後も同じ場所で周期的に起きる可能性がありますが、そういった場所が、世界では何カ所かあること。 日本のように津波の危険レベルに応じて注意報や警報という形で、スマートフォンの位置情報と連動して注意喚起してくれるようなシステムは、海外にはないこと。 すなわち自分で情報を集めて行動すること。自分の身は自分で守らなければならないこと。 多くの犠牲者を出した世界規模の災害ですから、そのほか数え切れないほどの様々な教訓が、この出来事には含まれているはずです。 そして、このときの一連の報道に携った一人として、結果としてこういった教訓を社会全体で共有する機会を、やや逸してしまったのではないかというのが、個人的な感想です。 新たに皆さんに考えていただきたいのが、情緒的で感情を刺激されるようなニュースの伝え方についてどう思うかということです。 例えば亡くなった方の人柄や功績などを紹介することによって、改めて大切な人を亡くしたということを強調することが、メディアの使命、報道の姿勢としてふさわしいのかどうかということについてです。事実関係だけを淡々と伝えて欲しいという方も、当然いらっしゃると思います。 唐突に思われるかもしれませんが、実は実名報道と深く関係していますので、「被害者の実名報道。必要ですか?」へのYES、NOに加えて、ご意見をお寄せいただければと思います。★織田議長の過去の円卓会議より・藤井聡太さん、活躍。将棋への関心は高まりましたか? <運営事務局より>投稿は、お一人お一人の視点や体験を言葉にしていただく、大変貴重なシェアリングです。・自分を主語としたI statement で書いてください。掲載する投稿には編集にて「私は」を入れさせていただく場合もありますのでご了承ください。・引用がある場合は、必ず引用元を明記してください。・議長からの各日の投げかけ(赤字部分)に答えた内容で投稿してください。
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