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会議番号:3207 開催期間 2012年12月07日- 12月14日
皆さん、今回も、沢山のコメントありがとうございます。 現在、インフルエンザワクチン接種は、アメリカ合衆国、カナダ、そして、EU連合加盟国(ノルウエー、アイスランド含む)の28か国で、「効果あり」と判断され、接種が推奨されています。とくに、オーストリアでは、すべての年齢にワクチン接種を推奨しています。この「効果あり」には、個人予防、集団予防の考えからだと思いますが、今回は全て調べられませんでした。ワクチン接種費用も全額補助している国(健康保険などから)や一部(保険の種類別によりさまざま)している国が多いです。 日本では2009年のパンデミックの後、ワクチン接種への関心が高まりその重要性が検討されていますが、全額負担になるのか? 学童集団接種が再度開始されるのか?など、まだまだ不透明です。ワクチン後進国の日本が、今後どのような舵をきるのかしっかりと考えていかなければなりません。 ワクチン接種を「する」「しない」は、皆さん個人のお考えで間違いありません。しかし、その考えは、是非、しっかりとした根拠に基づいてください。色々な情報をどこからでも得る事ができます。皆さんが安心納得する方から信頼できる情報を聞き、十分家族で話し合ってください。 田村個人の考えでは、インフルエンザワクチン接種はインフルエンザ感染症に有効な予防法であり、流行シーズン前に接種することは個人が予防されるだけでなく集団生活を行っている人、慢性疾患を持った人、そして高齢者も感染から予防され、医療負担を減らし医療経済を健全なものにする必需品だと思っています。 今回の議論を通じて、私としては、ただ「効果があります」「効果がありません」だけでは、皆さんに納得していただけないと思ったが故、具体的なデータに終始し、議論が私からの一方通行になってしまったのでは、と少し反省しております。 今後も可能な限り皆さんにより多くの情報を提供して、インフルエンザワクチン接種とは、ということを議論していく必要性を強く感じております。 ※ 前回の「ワクチン有効率」についての補足です。有効率とは、ワクチン接種をせずインフルエンザに罹患した人だけの評価です。例えば、ここに100人います。彼らはワクチン接種をせずにインフルエンザに罹患しました。ワクチン有効率が30%だとします。すると、もし、このインフルエンザに罹患した100人が、予めワクチンを接種していれば、30人は予防できた、ということです。ワクチン接種したから30%の確率で予防できる!というものではありません。 さて、話はインフルエンザワクチン接種から離れて、現在、日本で大流行中のノロウイルス感染症について説明させてください。色々な手段でノロウイルスについて情報を得る機会があると思いますが、この内容は、厚生労働省、国立感染症研究所、そして論文から引用しています。 ノロウイルスは、基本的に全ての人に感染します(一部のノロウイルスでは「A型、O型」の血液型に感染しやすいのです!)。感染伝播ですが、ノロウイルスは感染者の便や吐物に極めて多量に含まれているため、これらを処理した際の手(接触感染)からはもちろんですが、嘔吐物の処理が不十分で、そこから乾燥し空間に舞い上がったウイルスが感染源(飛沫感染)となる場合もあります。 潜伏期間(感染から発症するまで)は1~2日です。 症状は、微熱(37~38度)と、下痢、嘔吐ですが、やはり突然で繰り返す嘔吐から発症することが多いです。3日程度で改善し、特別な後遺症も残す可能性は極めて低いですが、小児や高齢者では、繰り返す嘔吐や下痢で、脱水を引き起こすこともあります。そのため、尿量が減り、ぐったりしているときには受診を考えてください。抗ウイルス薬はありません。そのため、少量ずつ、こまめに水分を摂取すること!です。 一番大切なのは、予防法です。基本的には手洗いと、感染者の汚物の処理を徹底する事です。石けんではウイルスは不活化しません。あくまで、石けんにより手指についた脂肪等が落ち、同時にノロウイルスが剥がれ落ちるだけです。ですので、手洗いは流水で長めです。また、汚物が床に落ちたら、ペーパータオル(使い捨て)などで広がらないように拭き取り、次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の漂白剤)で消毒(塩素濃度200ppm)し、その後水拭きしてください。衣類も、消毒(塩素濃度200ppm)してから洗濯します。 (塩素系漂白剤の使用上注意を確認ください) ノロウイルスは、感染している人の手から食べ物についたり、直接貝などについている事があります。疑わしければ、食べる前に、最低でも85度で1分以上加熱してください。 残念ながら、ノロウイルス種類が多いため、同シーズンに複数回罹患する可能性があります。一度、罹患したからといって油断しないで下さい。 以上、駆け足でインフルエンザワクチン接種とノロウイルス感染症について説明させていただきました。 皆さん1週間、色々な意見をありがとうございました。私も色々考えさせられ、今後の医療活動に生かしていきたいと思います。 【田村議長 過去の円卓会議より】・マイコプラズマ肺炎、ご存知ですか?・子どもの健康。震災の影響、気になりますか? ・お子さんの予防接種、積極的に受けていますか?
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