働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3279 開催期間 2014年02月14日- 02月21日
世界経済に関心があるかと問われて、ノーとは答えづらいですよね。でも、日々の生活で世界経済なんて考えているひとはほとんどいないと思います。「テレビでは我が国の将来の問題を/誰かが深刻な顔をしてしゃべっている/だけども問題は今日の雨傘がない」と歌ったのは井上陽水(「傘がない」、1972年)ですが、世界経済よりも問題は今日の雪、シャベルがないことです。だけども、一葉落ちて天下の秋を知る、ということわざもあります。最近の世界経済の変調ぶりは、ちょっと気になりますので、考えてみましょう。 世界経済をこのところ主導してきたのは米国と中国です。 米国は、08年のリーマンショック以降、世界の基軸通貨でもあるドル札をせっせと印刷し、世界に流しました。そのおかげで、米国経済は回復に向かい、アジアや中南米などに向かった投資マネーは、こうした国々での景気も盛り上げてきました。 一方、中国は、世界中から投資を呼び込み、工場設備をふやすことで、旺盛な国内需要や安価なメイド・イン・チャイナを求める世界需要に応える「世界の工場」の役割をはたしてきました。 ところが、この二つのエンジンが変調をきたしている、というのが最近の国際経済の見方です。 米国のほうは、景気もだいぶ良くなったので、少しずつお札の印刷を減らしはじめたところ、ドルの「過剰流動性」でミニバブルになっていた南米やアジアの金融市場が動揺し、それが世界に波紋を広げています。米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)の議長がベン・バーナンキさんからジャネット・イエレンさんに代わったので、株式市場は急落という厳しい試練を与えました。 もともとインフレの抑制よりも雇用を重視する「ハト派」で、インフレファイターの「タカ派」ではないと言われていましたが、就任直後の議会証言で、金融緩和政策の継続を明示したことで、市場は安心したようで、株価も回復しました。初の女性議長となったイエレンさんは協調型の性格だそうです。市場とうまく協調しながら超金融緩和から抜け出す出口戦略を成功させてほしいと期待します。 大きな流れとしては、米国が「非伝統的」と自らが呼ぶほど大胆な金融緩和をしてきた時期は、終わりにきています。低金利のドルを借りて、それを南米やアジアの通貨に換えてそこに投資をして、もうかったところで再びドルに戻して利益を確定させる、という投資がこれから鈍るのは当然でしょう。しばらくは、世界への投資を引き上げるドル回帰が強くなるのでしょう。 米国のリート(不動産投資信託)に投資にしているという投稿がありましたね。これからもドルが高くなるなら、ドル投資は有利ですが、もともと米国の金融緩和は不動産市況を救う狙いもあったので、緩和の縮小はリートにはマイナス要因かもしれません。ドルが高くなれば、ユーロや円は安くなるはず。夏休みに欧州旅行という投稿もありましたが、私も4月にフランスに行く予定、いまのユーロ高では、おいしい料理にありつけそうもありません。これからは円よりもユーロの下落の方がきついと思いたいところです。 さて、投稿にもありましたが、中国の動向も心配です。太陽光発電の中国企業サンテックの倒産は、足元がしっかりしないままに急成長した中国経済の象徴かもしれません。米国の経済エンジンは、成長と金融緩和縮小のタイミングがあえば、うまく動きそうですが、中国のエンジンは、構造的な問題をかかえているようにも思えます。 あなたは、中国やアジア経済をどうみますか? NOの方も、ぜひ一緒に考えてみましょう。★高成田議長の過去の円卓会議より・原発の汚染水問題、理解していますか?・尖閣諸島、国有化に賛成ですか?・東京電力による電気料金値上げ、仕方ないですか?
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