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会議番号:3338 開催期間 2015年04月10日- 04月17日
国のガバナンス(統治)ということを考えたときに、なぜ地方自治が必要なのか、そこが問題だと思います。 たとえばいっさい地方自治がなく、すべてが国によって決められるという形を考えてみましょう。中央集権国家です。都道府県の知事は明治時代のように「県令」とし、国が任命するということになります。そうすると地方がそれぞれの実情に合わせて政策を決めるということはなくなります。地方の県令が進言して内務省のようなところで政策を決め、県令に指示するということになります。県令は中央政府の役人ですから、中央の気に入らないことをやる理由はありません。自分の出世に関わるからです。 それに対して「地方分権」というのは地方の住民がそれぞれの代表者や議会議員を選任し、自分たちの権限の範囲で自分たちのことを決めるということになります。 たとえば国として重要な外交や防衛は地方自治でやるのは難しいでしょう。日本の場合、いまだに中央分権国家の残滓がいっぱい残っていて、地方の首長は中央政府(霞ヶ関)や国会議員をたずねて陳情しなければ何事も動かないような仕組みになっているところもあります。それでも県知事や県議会、市長、町長、村長やそれぞれの議会は住民が選びます。自分を「殿」と呼ばせるようなおかしな人も現れることがありますが、有権者が選ぶということは重要なことだと思います。実際、地方の権限が法律で決まっている部分については、首長の力でいろいろなことができます。沖縄県の翁長知事が普天間基地移設問題で国に「抵抗」できるのは知事の権限でできることです。 地方政府の重要な役割は「地方の実情や住民の要望」に沿って政策を決めていくということでしょう。それに住民に最も近い自治体(基礎自治体と呼びます)はさまざまな住民サービスもします。住民票や戸籍謄本、印鑑証明、生活保護、介護などなど、個々の生活に関わる仕事をするのはこの基礎自治体です。近年、政令指定都市という形で人口を目安に従来の市から権限を拡大した市が生まれてきました。大阪、京都、横浜、札幌、福岡、仙台などなど20都市あります。政令指定都市は規模が大きくなった分、都道府県の権限を委譲してもらっています。そのためこの制度がスタートしたときには5つしかなかった政令指定都市が増えてきたわけです。 しかし政令指定都市が大きくなればそれはそれで問題も出ます。都道府県との二重行政もそうです。また住民へのサービスという意味でも大きいことがいいことかどうかはよくよく吟味することが必要です。一部の人が主張するように、住民サービスも含めて大きいことがいいことならば、地方自治体は必要ないということにならないでしょうか。もしそうでないのなら、どこかに最適の大きさがあるはずです。人口で10万なのか15万なのか、25万なのかはわかりませんが、少なくとも何百万という数ではないでしょう。民主主義が浸透しやすい大きさとか、地方の政策が自分の身の回りに関係があるという感触がある規模とか、何らかの根拠のある大きさ(人口だけではないかもしれませんが)があるはずでしょう。 さて皆さんは、ご自分の住まれているところの地方議会や首長についてどのようにお考えですか。役に立っている? 顔も知らない? 自分とは関係ない?大阪都構想に賛成の方(YES)も、反対の方(NO)も、ご自分の自治体について考えてみてください。★藤田議長の過去の円卓会議より・新聞を、毎日読んでいますか?・衆院選。注目している争点、ありますか?・今回の内閣改造。評価しますか?
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