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会議番号:3347 開催期間 2015年06月05日- 06月12日
みなさんの投稿で、「脅威」を色々と挙げていただきました。ざっと見渡すと、2つのカテゴリーになるでしょうか。 一つは、いわゆる国家。それも近隣の。そのほとんどと日本は領土問題を抱えていますね。その筆頭は、中国でしょうか。尖閣問題がありますし、小笠原沖の”乱獲”、そして、ちょっと日本から離れて南シナ海全般への海洋進出は、フィリッピンなど近隣諸国に対して挑発を超えて実効支配するまでになり、アメリカとともに頭を痛める問題です。私たちは、これらを、国際ルールを全く無視する中国の蛮行と捉えるわけです。 国際ルール。ちょっと、立ち止まって考えてみましょう。国際社会は、そもそも、「無法地帯」なのかもしれません。つまり、日本社会を律する国内法のようなもの、つまり、罪を犯せば、最高権威がそれを裁き、それもそれをするために圧倒的な強制力を持つ世界政府のようなものを、まだ人類は持ち合わせていません。国と国との問題を仲裁する国際司法裁判所がありますが、付託に対して係争両者の同意が必要ですし、領有権の根拠は、歴史的にどれだけそこを長く実効支配したかのような理由が強いようです。 つまり、今でもまだ、「早いもん勝ち」みたいな状況が、領土を巡る「ルール」のようです。だから、フツウの国は、軍備を持ち、槍を外に向けて近づかせないように抑止力としているのでしょうね。 でも、その軍備を実際に使うことについては、少し違います。1日目の冒頭で述べたように「武力の行使」の要件については、現代の国際社会の国際法の守護神「国連憲章」で明確に規定されています。それは、強制力のある世界政府のようなものか。いえ、国連はそんな存在ではありません。でも、忘れてはいけないことがあります。 国連とは、枢軸国(安倍首相が知らなかったと揶揄されたポツダム宣言にある「世界征服の暴挙」に出た侵略国家たち??)を負かして、二度とそのような国家が出現しないように、中国(その時の”中国”は今の中国ではありませんが)を含む5大戦勝国が頂点に君臨する世界統治の体制です。”仲良しクラブ”でない彼らが、それでも、「拒否権」でお互いを牽制し合い、それに加えて「核」で牽制し合いながらも(キューバ危機で一度ボタンが押されそうになりましたが)、世界の頂点に居続ける。 逆に、この体制を維持する限り、彼らは世界の王様でいられるわけですね。繰り返しますが、その体制とは「侵略者」を出さない、許さないことが目的です。おわかりになりますね。だから、彼らは”侵略”しないのです。こう言うといっぱい異論が出そうですね。言い直しましょう。彼らは、国連憲章で”自衛”として説明がつく”侵略”しかしないのです。 国連憲章で認められた武力行使は「自衛」。自衛権を行使するには、まず自分が、もしくは「お仲間」が武力攻撃を受けなければなりません。前者が個別的自衛権、後者が集団的自衛権ですね。個別的自衛権の話をしましょう。これをするには、相手がまず武力行使をするように仕向けるのが一番。だから、中国は”漁民”を使うのです。プラス、日本の海上保安庁にあたる警察力。”軍事力”ではありません。この挑発に、日本が警察力ではなく、国際的には軍事力とみなされる自衛隊が出てくるのを待っているのです。そうすれば、この状況は、日本が”中国の領海だから、相手にまずこれをするように仕向けるのが一番”で一方的に武力行使した、つまり”侵略”した、と説明できる。 逆に、中国の非軍事的な挑発に対して絶対に自衛隊で対処しないということを鉄則にすれば、中国は日本を”侵略”できません。だから、はなから中国を「軍事的脅威」と見なすのは、僕は間違っていると思います。あくまで、日本の領海内における”外国人犯罪”と見なし、今よりも厳しく対処すればいい。自衛隊が撃たない限り中国が自ら「軍事的脅威」になることはない、とドンと構えて、ビシビシ対処(海上保安庁の武器使用も含めて)すればいいのです。 長くなりましたが、「脅威」には、中国のような国家の他に、非国家。今、世界を席巻する「イスラム国」のようなグローバル・テロリズムの問題があります。「イスラム国」は自身のプロパガンダ誌で、日本は既に標的になった、と発表しています。今回の安全保障法制の国会での政府側の答弁において、同法制で容認された集団的自衛権は、テロに対しても抑止力となるとしていますが、みなさんはどうお考えになりますか? 集団的自衛権の行使が、どうテロの抑止に威力を発揮することを期待しますか?★伊勢崎議長の過去の円卓会議より・日本国憲法第9条の「改正」に賛成ですか?・自衛隊の“対テロ”協力、支持しますか?・アフガン支援「50億ドル」、支持しますか?★伊勢崎議長と佐々木かをりの「ウィンウィン対談」も、ぜひお読みください!「紛争解決のために、日本ができること 〜平和外交は、まず相手を理解する事から始まります」
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