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会議番号:3385 開催期間 2016年03月25日- 04月01日
先送りに「賛成」の方が6割以上と多いようです。「高所得者や企業からの税収を増やすことから始めて欲しい」(倭媛さん)、「社会保障への財源といいますが、景気をよくすれば税収は増えるのですから、それを使えばいい」(ひよこまめさん)などのご意見です。景気が良くなれば税収が増えるのは事実です。安倍政権側に立つ内閣府の試算では、名目経済成長が1%生じると税収は5000億円伸びます。2%で1兆円なので、自然増1兆円といわれている一般会計社会保障財源は賄うことができますが、30兆円を超える毎年の借金(国債発行額)は減らず、国債残高は増え続けます。 この問題を考えるポイントは、アベノミクス3年目にもかかわらず、経済停滞、とりわけ所得や賃金の伸び悩みが生じている原因は何か、という点ではないでしょうか。それは、異次元の金融緩和というアベノミクスの有効性を問うことでもあります。 私の考え方は、そもそも金融政策というのは、時間を稼ぐだけの政策ということです。金融、つまりお金の貸し・借りという時間を金利という値段で売り買いするわけです。しかしそれ自体は何か新たな付加価値が生まれるわけではありません。安く、つまり低金利で時間を貸してもらっている間に、新たなビジネスをして初めて付加価値が生まれるわけです。したがって、異次元の金融緩和政策は、日本企業が新たな付加価値を生み出すまでの時間を猶予しているということです。 では、付加価値はどう生まれるのか。実はすでに日本企業は史上最高の利益を生み出しています。それを、内部留保の形で保持しています。もちろん、その中にはM&Aのような投資も入っていますが、賃金に回す労働分配率は低下したままです。わが国経済の先行きに確信が持てないことがこのような企業行動につながっています。 また、大企業などは3年連続のベアを行っていますが、社会保険料などが毎年増加し、勤労者の可処分所得はほとんど増加していません。また、老後不安などから消費者の財布は閉じたままです。 こう考えると、現在わが国が行ったほうがよい政策は、富裕高齢者の負担増と勤労世代への負担軽減なはずです。その分配構造のゆがみを正すのは、税・社会保障一体改革で、その一部(高齢者への負担増)が消費税の10%への引き上げのはずです。 消費増税を引き延ばして、構造問題には手を付けずに果たして景気が(中期的に)回復するのでしょうか。労働人口は減少しており、女性の活用も配偶者控除に全く手が付けられていないように、ほとんど進んでいません。 消費増税の先送りは、選挙目当ての近視眼的な政策ではないでしょうか。もっとも、民主党(民進党)も消費税率引き上げに反対するようですから、選挙の争点にはならないでしょう。つまり消費増税先送りはすでに政治的には合意済みという状況かもしれません。しかし、こうして負担を先送りする政治から脱却しないと、今の勤労世代の負担は、とめどもなく膨らんでいくでしょう。 富裕高齢者の負担増と勤労世代への負担軽減。このようなことを踏まえ、改めて考えたいと思います。あなたは、消費税引き上げ。先送りに賛成ですか?★森信議長の過去の円卓会議より・軽減税率にマイナンバーカード。あなたは使いますか?・消費税引き上げ、先送りが良いですか?(2014年11月)・消費税8%。価格は、総額表示がいいですか?
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