イー・ウーマン（ewoman）

構造改革の意味（violet-m・神奈川県・45）

若い頃は、国の制度は不変なのだと思い込んでいました。歴史も勉強したというのに、おかしな話です。やっと構造改革の言葉の意味を理解してきました。貯金と年金で悠々自適な世代が、日本の発展のために尽力したことはわかっています。しかし、現行の制度では若者が未来に希望を持てないことも事実。今の50歳から収め損、若くなるにつれ損が広がる試算の社会保障費の仕組みは、大幅な見直しが必要だと思います。

身の丈に合った保障を選びたい（abbyi・神奈川県・38）

世代ごとの人工構成比が違う上、時代ごとに景気も変動するのだから、世代ごとに身の丈に合った保障を受けられる仕組みがあってもいいと思う。

2040年、社会保障は破綻する（ゆいたんパパ・東京都・43）

日本の社会保障を設計した慶應大学の先生曰く、「このまま2%未満の成長が続いたら、どんな手を打っても2040年までしか、現在の社会保障制度は維持できない」といっていました。戦争でも起こさない限り、これは現実化するでしょう。従って世代間移転型から世代内移転型に転換したり、一定所得以上の公的年金をカットしたり手を打ちつつ、子育てしやすい環境に財源を振り向けるのが良いと思います。

公平性を保つのは不可能（Nyaon.・兵庫県・43）

どの世代もその時の最善を尽くした上での現在であり、現世代の利益だけではなく将来世代の利益も考慮しなければならないとは理解するが、理想論だと思います。公平性は､1時点で決まることでなく､ 年齢によって異なる時代背景や経済状況の関係の中で一生を通じて検討すべきことであるが､時間軸が複数存在し､ その評価が多次元的であるがゆえに複雑なので、世代間を小さくすることは可能だと思うが解消することは不可能だと考えます。

不公平以外の考え方を知りたい（kko・海外・その他・51）

この問題は20年以上前から問題になっていたことだと思います。20年前にも「自分には恩恵は来ないから社会保険の支払いはしない」と言っていた人はいました。そんな中、同世代の友人は、どこかの世代にしわ寄せがくるのならそれは私たちの世代でいいと思う、親の世代は戦後復興に貢献してくれたし、子どもの世代にまで先延ばしさせたくない、と言っていたのが印象的です。私もそれに同意できますが、未だに何がベストなのかはわからない状態です。

時代ごとにフォローする政策（にしひがし・茨城県・44）

世代間格差、当たり前だと思います。常に経済、社会、政治は動いています。それを政策でフォローしていくのが行政側の役割だと思っています。年金受給者に、再就職の斡旋、働き方の提案、住宅の供給、交通費の補助など、企業と協力して、受給額の不足分をフォローするような政策を常に行い、誰もが、基本的な生活を保ちながら、生をまっとうできる世の中にしてほしいです。

分配は不公平だが、負担は公平（kyoko004・神奈川県・39）

分配は世代間格差があり不公平だと常に感じますが、現時点での負担は公平かと思います。気になるのは、私達世代が、高齢になった時、今の高齢者と同じ状況を享受できるかという点。その時に今の高齢者と異なりマイナスな境遇であれば、何もかもが世代間格差で割を食った世代だと思うと思います。

皆さんの投票結果では、不公平、YESとの意見が9割近くとなっています。では、どこが不公平なのでしょうか。
 
図表を見てください。これは、ライフサイクルに応じて税と社会保険料のモデル世帯の所得に対する負担割合をイメージ化したものです。モデル世帯は「専業主婦子どもあり」の世帯としました。共稼ぎ世帯は多様で、標準パターンが作りにくいという理由です。



夫は60歳まで正規雇用として働き、60歳で再雇用になり収入は下がり、65歳で年金生活に入る。横軸は年齢を、縦軸は収入に対する税・社会保障の負担割合を示しています。
 
赤色のラインは、収入に対する消費税（税率8％）の負担割合で、22歳から年齢を重ねるごとに低下し、60歳を超えると上昇し、65歳を超えるとさらに上昇しています。これは、所得のうち消費する割合（消費性向）が変わることから生じる変化で、逆進性と呼ばれるものです。
 
青のラインは所得税の負担割合で、年功序列で給与が増加し累進税率のもとで負担割合も増加しますが、結婚すれば配偶者控除、子どもが生まれれば扶養控除が生じるので、必ずしも一直線に伸びていくわけではありません。60歳になり所得が下がれば負担率も下がり、年金生活になれば、公的年金等控除が適用されるので、所得税負担はほぼゼロになります。
 
黄色は、社会保険料負担で、給与所得に比例的な（ここでは10％）負担です。65歳になれば、介護保険料などは生じるが年金保険料はなく、医療保険負担も軽減されます。
 
この3つを合計したものが緑色の線です。定年前まで負担は増加していくが、60歳で少し下がり、65歳を境に負担は大幅に減少することがわかります。
 
この図は、ライフサイクルの負担構造を描くものですが、同時に「世代ごとの負担割合」の比較でもあります。
 
この図から、「世代間の税・社会保険料負担には大きな違いがある」ということと、「その分水嶺は65歳である」ということがわかります。年金生活に入れば、その負担は大幅に軽減され、手厚い社会保障が受けられるということです。
 
しかしこの負担構造で、高齢化に伴い高騰する社会保障費用を賄うわけですから、勤労世代にはいかに負担が重いか、これから重くなるということがわかります。
 
「勤労世代により多くの負担を求めることでいいのだろうか」、どのような是正策があるのか、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。多くの投稿をお待ちしています。
 
 



★森信議長の過去の円卓会議より
・消費税引き上げ。先送りに賛成ですか？
・軽減税率にマイナンバーカード。あなたは使いますか？
・所得税、あなたは今の個人単位から世帯単位へ変えることに賛成ですか？

• 2016.07.04
• 森信茂樹 東京財団政策研究所研究主幹、中央大学法科大学院特任 教授