働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3406 開催期間 2016年09月02日- 09月09日
職場と流産の関係は、新しい生命の始まりと、女性の継続就業意欲にかかわる重要事項です。「女性社員の妊娠は個人的課題だ」という認識を越えて、深慮いただいた数々のコメントに感謝いたします。「流産の心配や経験を職場で話したことがある」という方々は33%にとどまりました。厚生労働省の最新の調査では「妊娠先行結婚」つまり妊娠判明後に入籍をする夫婦が約35%以上という報告があります。妊娠をきっかけに家族として両親としてチームを創るカップルが3割以上の時代、職場での妊娠初期対策は急がれます。 fumyさんのように「女性なら誰にでも起こりうること」と、チームにも本人にも適切なアドバイスをくれる上司がいる職場は幸運です。マタニティハラスメント予防の制度はできても風土がなければ、妊娠初期の対応次第では、産後職場復帰意欲や継続就業動機もそがれる場合があります。現在、妊娠判明時に就業していた妊婦は70%ですが、妊娠を機に退職を決意する女性は60%です。それは職場に制度があっても風土がないためと仮説が立ちます。 「職場結婚の男性側から報告を受けた」あきんぼさんは、出産退職後の職場結婚の夫婦のうち、男性側からしか報告を受けていませんでした。流産を経験した女性は、自責の念を持ちやすく、すでに子どもがいる職場の女性に相談しづらいという想いも一般的です。妊娠は男女1組から始まることであり、性的なことでもあるため、なかなか妊娠判明後の安定期に入るまでは、共有できる心理にもなりづらいものです。 「それとなく配慮」とアイデアを投稿くださったおれんじ78さんも、流産の危険の高い初期は直属の上司のみに報告していました。「明確に議論してはいませんが、重労働や屋外作業を避ける・休憩室を利用させてもらうなどの配慮をそれとなくしていただき、とても感謝しました」とのことです。 女性活躍推進時代、直属の上司に妊娠出産リテラシーが少なく、妊娠した女性社員が「妊娠報告をすることがリスク」と感じて報告を躊躇したり、流産後に「報告して配慮してもらえれば違っていたかも」と後悔することを避ける構造が必要でしょう。 「早急な対策を」という真打ちさんの投稿は、実体験をふまえてのお言葉です。真打ちさんのように、産後に継続就労できる前例がない時代は、仕事か妊娠出産かの二択式ライフデザインが大多数でした。少子社会で女性活躍推進が開始された現在の日本社会で、同じ涙を流し続ける社会構造は、非建設的です。女性からしか子どもは生まれない中、33%しか流産の報告や経験を職場で共有できていないのが現状の社会だとしたら、会社の中で就労中に新しい命が消えていることになります。「社内流産」が職場で暗黙のうちに起きる。私は、これらを防ぐためのバースフレンドリーマネジャー育成事業を試みはじめましたが、まだまだ、働く女性の流産が社会的課題だという認識が持たれていないのも現状です。「健康経営」という言葉が生まれてまだ3年。職場のうつ予防と休職予防としてストレス対策は進んでいますが、女性活躍推進と健康経営の両立は、まだ始まってもいません。 職場での妊娠初期の対策は、社会的な課題として急務です。企業として、管理職として、整えるべき制度や風土を成熟させるために、何から開始するとよいと思いますか? 制度はあるのに、風土がない。この変革のために職場でできることは何でしょうか? みなさまのご意見をお待ちしています。★大葉議長の過去の円卓会議より・働く女性と出産タイミング。考えたこと、ありますか?・10代の出産、毎週250名。知っていましたか?・養子縁組に、興味がありますか?
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