働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3425 開催期間 2017年02月03日- 02月10日
予想したよりもはるかにYESと答えられた方が多いですね。もっとも一口に経済記事と言っても、幅があまりにも広いから皆さんがどのような記事をどのようにお読みになっているかは判然としません。私も東洋経済に奉職して以来、経済記事を読んでいますが、かつては金融とかまったく分かりませんでした(今でも「分かっているか」と聞かれたらあまり自信はありませんが、金融関係者と話をしていてあまりトンチンカンな会話になっていないところを見ると、大丈夫かもしれません)。 職業柄、私が気にしているのは世界経済の動きです。とくに今、気になるのは金融政策でしょうか。2008年のリーマンショックがなぜ起きたのか、そのショックを恐慌にしないように各国がどのように動いたのか、そしてその「後遺症」はどの程度悪いのかなどです。そうした問題を気にしていると、政治ニュースも切り離せません。昨年6月、イギリスがEUを離脱することを国民投票で決めました。そして秋にはアメリカでトランプ大統領が誕生しました。その結果、何がどう動くのか、あまりよくわかっていません。 2008年のリーマンショック、後から分かったことですが、9月15日にリーマンブラザーズが倒産した後、世界に何が起こるか正確に理解していた人はほとんどいませんでした。たとえばその当時、ニューヨーク連銀の総裁をしていたのはガイトナー氏(オバマ政権で財務長官を務めました)ですが、あれほどの破壊力があるとは思っていなかったのです。英中銀も、もちろん日銀も分かっていなかったでしょう。逆に言えば、経済現象はときにまったく理解を超えて動く(動かしているのは個々の人間なのに、総体としてどう動くかが分からない)ということなのだと思います。しかもひとたびショックが起きると、それが収拾されて落ち着くまでにかなりの時間がかかります。1929年の金融恐慌もそうですし、ニクソンショック、2度にわたる石油ショック、そして日本ではバブルが弾け、1997年には銀行などが倒産しました。 こうした事象をどのように理解するかは、日々のニュースだけを読んでいてもなかなか全体像はつかめないと思います。さらに日本の場合、いままさに転換期にあると考えます。企業にしても戦後の在り方が総決算を迫られているような気がします。産業の構造変換は戦後ずっと進んできました。かつての石炭や繊維、製糖といった主力産業が自動車や電機などに切り替わりました。そしていま電機産業は大きく揺らいでいます。シャープが外国企業に買収され、東芝は決算操作もさることながら、存続すら危ぶまれています。そしてバブル崩壊以来、政府が従来型の財政支出拡大にこだわったために、財政は破綻していると言ってもいい状況になっています。そんな中で、社会保障制度は持続可能なのかという問題も生じています。つまり問題が非常に複合的になっているため、すっきりした解決策が見つかりません。 こういった中では、毎日の経済記事の他に、できれば世界的にどのような人が何を言っているのかを読み、考える材料にすることが重要だと思います。たとえばユーラシアグループのイアン・ブレマー、イギリスの歴史家ニーアル・ファーガソン、クリントン政権の労働長官だったロバート・ライシュ、フランスの歴史人口学者エマニュエル・トッド、同じくフランスのジャック・アタリなどなどといった人々がどんなことを言っているのかを読むのも参考になるかもしれません(これらは私の狭い知見の範囲からピックアップしたものですから、他にもいい人がいっぱいいると思います)。 私が申し上げたいのは、時代がどちらに動いているのかよく分からないときは、できるだけ(地理的に)広くて(歴史的に)長い目をもつことが必要ではないかということです。そういう中に日々の経済情報を置いていけば、ひょっとすると「道」が見えるかもしれません。さて皆さんに伺います。最近、経済記事を読まれていて、面白い、興味深い発見がありましたら、教えてください。どういう風に面白いかを共有できるとそこからまた新しい発見があるかもしれません。よろしくお願いします。★藤田議長の過去の円卓会議より・日本の人口減少、心配ですか?・政務活動費、知っていますか?・中国の南シナ海進出、脅威ですか?
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