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会議番号:3457 開催期間 2017年09月15日- 09月22日
みなさま、さまざまなコメント、ありがとうございました。RSウイルスについて、75%の方が知らないという結果でした。テレビでは、連日のようにRSウイルスの流行が伝えられていますが、nekosaurusさんのように、怖い病名だけが取り上げられて、何をどのように、といった具体的な解決策が示されない結果もその要因では?と思います。一方で、ちゅまさんやしろえちゃんさんのように、家族内や保育園など、RSウイルス感染を身近に感じていると、一歩踏み込んだ認識ができますね! RSウイルスの感染を理解する前に、ヒトの呼吸について確認したいと思います。 ヒトの呼吸は、空気が鼻から入り気管支を通って最終的に肺胞という風船に似た組織に運ばれます。そこで、酸素と二酸化炭素を交換します。RSウイルスは、肺胞の直前、つまり気管支の最末端である細気管支に感染します。RSウイルスが細気管支に感染すると、組織は炎症で浮腫を起こす(むくむこと)とともに、分泌物(痰)が多くなります。非常に細い細気管支がむくみ、痰が多くなると、内腔は空気が通りづらくなりガス交換が困難になります。すると、患者さんは、苦しくなるので努力性呼吸といって全身を使って一生懸命呼吸をしたり、呼吸回数を多くします。空気を思いっきり吸う(肺を広げる)ために、陥没呼吸という現象も起きます。そして、聴診器で肺の音を聴くと、喘鳴(ぜんめい)というヒューという高音の雑音が聞こえます。 これらの病態は、気管支喘息の発作に非常に似ています。 気管支喘息の治療は、日進月歩の勢いで進化し、内服薬や点滴薬、そして吸入薬まで多種多様あります。しかし、一方で、RSウイルスの有効な治療法は明らかになっていません。驚くかもしれませんが……。 喘息と同じ病態であれば、RSウイルスの治療は喘息と同じようにやればいいのでは?と思われるかもしれませんが、喘息発作の治療で有効性が最も高いステロイド治療でも、RSウイルスでは効果があるのか無いのかデータはありません。そのため、ステロイド治療を行っている施設もあれば行わない施設もあります。 実は、これが、RSウイルスの診断にも大きく影響しています。通常、医療では治療法が確立してくると、その疾患を診断する技術が確立し、的確な診断⇒効果のある治療、という流れができます。そして、健康保険が適応され医療が行われます。 RSウイルスには、インフルエンザ検査のように綿棒や吸引機を用いて鼻水を採取するだけの簡潔な迅速診断キットがすでに承認され販売さています。この診断キットは、非常に精度が高く優れています。 しかし、RSウイルスは、下記の3つのカテゴリーに入らないと、外来では保険診療での検査ができません。 ◎ 1歳未満 ◎ 入院が必要な患者 ◎ パリビズマブ製剤の適応となる患者(※治療の時に説明します) 例えば、2歳で咳が酷くて眠れない、咳で吐いているとしても、入院するほどでない、となると、小児科医は、RSウイルスっぽいですね!といって検査はしません。私も検査して下さいと言われることもありますが、上記の理由を説明してお断りする事が多いです。 そこで、みなさんと議論したいのは、重症化しやすくやっかいな感染症であるからこそ精度の高い検査法が承認されているのに、外来では保険診療内で検査ができないことについてです。 みなさんでしたら、RSウイルスが疑われる場合に、どうされるでしょうか? 自費でもRSウイルスの確定診断を受けるか、それとも受けずにあきらめるでしょうか? 「RSウイルス、知っていますか?」にYES、NOで答えていただき、RSウイルス検査について自分ならどうするか、そしてそのように考える理由もお聞かせください。また、RSウイルス感染症以外にも、自費診療について知っていることや、受けられたことがある方など、さまざまなご意見をお待ちしております。★田村議長の過去の円卓会議より・アニサキスやサルモネラ菌など、食中毒の予防。実践していますか?・ノロウイルス感染症に備えていますか?・はしか流行中。空気感染すること、知ってましたか?
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