働く女性の声を発信するサイト『イー・ウーマン』
会議番号:3474 開催期間 2017年12月08日- 12月15日
「セクシャル・コンセント」性の同意という人権意識を、日本で普及するための多様なご提案をありがとうございました。 「中高生から教育。行政がテキストを配布」(あさーかすさん)のご提案は、最重要な方策だと思います。2000年前後に日本国内各地でチャレンジされた歴史がありますが、文科省と厚労省との連携も難しく、全国の中学生配布用に製作された冊子が、配布禁止となった事例もありました。文科省で「性教育」という言葉が統一されたのは1999年ですから、「性」の言葉の定義も曖昧で、議論は続いています。学校に教科構成権があるので、皆さんの地域の学校ごとの展開で良い事例がシェアされるとよいですね。 「避妊具のファッショナブルな店舗などをきっかけに」(ナカサワさん)もさらに広まりが求められるところですね。先進国では10代の性の健康を守るために、様々な取り組みがあり、豪州には、高校にコンドームの自動販売機がある地域も。避妊だけではなく性感染症予防も直球で伝え、「知っていたら防げた」という事態を減らすために積極的です。 えこりんさんの投稿には、「服装にも気を付けるよう、母親としてきちんと伝えていく」とありました。こちらも世界中の親からティーンズの子どもたちに指導されているでしょう。服装に関する最新情報としては、女性の服装に関係なくレイプ被害が発生していることが判明しています。アメリカやブラジルでは、レイプ被害に遭ったときの服装を再現するファッションショーが話題となっています。プロジェクト名は「Invisible Sexism(見えない女性差別)」。その服装のどれもが、肌の露出の少ない地味な服装で、会場一同驚き、「被害に遭った方々の服装や態度が悪かった」との偏見を変えようと報道されていました。 「性の同意」教育は、相手が肌を露出していたから悪いと言わせないためのものであり、きちんとコミュニケーションをとり、お互いのもっとも大切な尊厳を分かち合う態度を育もうという哲学が基盤にあります。 このように円卓会議のみなさまも対話し、協議することの大切さを実感します。 以前にIPPF(国際家族計画連盟)のジル・グリア元事務局長にお会いした際にメッセージをいただきました。「私たちは、もっと性のことを話し合える社会を創るべきです。何しろ地球上では、1日に2億5000万回もの性生活が行われているのですから」と。 日本では「嫌よ嫌よも好きのうち」などと“相手が嫌がる態度をしても同意アリと解釈してよい”という非言語文化が残存しているとしたら、変えていく他ありません。 日本では時期的、地域的に、月経を穢れとするなど、生理現象に対してさえ自己否定的に解釈するバイアスがかかってしまっているのではないでしょうか。自分自身のカラダを愛しめないようにしているバイアスを、無意識に採用してしまっているのではないでしょうか。 次世代のために、私たち大人自身も、性を表現する語彙を深めながら広げ、時代を変えなくてはなりません。 個人的な性への価値観を、すべてをオープンに赤裸々に語りあおうというのではありません。 大切なことを大切にできるように定義をし、非言語で被害が増えてきた歴史を変えるために新しいアプローチが必要なのではないでしょうか。 「セクシャル コンセント」という言葉を広めているユネスコが2009年に発布した「国際セクシャリィ教育実践ガイダンス」英語版は、こちらから読めます。 ようやく日本語版が翻訳出版されました。 「性の同意」の風土創りを進めるために、まず、私たちが、身近なところから未来を変えられることは、何でしょうか。あなたが、セクシャル・コンセント教育を広げるために、できることは何でしょうか? さらに議論を深めながら、最終回を迎えたいと思います。★大葉議長の過去の円卓会議より・働く妊婦への社内支援、ありますか?・全国で進行中の少子化対策。良い策はありますか?・「流産」の心配や経験、職場で話したことありますか?
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