イー・ウーマン（ewoman）

家庭に直結する問題（2kishir0・東京都・29）

最近、週刊誌の記事を読んでいると貿易戦争という言葉をよく目にするようになりました。一時期あんなに大騒ぎしていたTPPも米国が離脱してからめっきり報道がなくなったように思います。国のトップが変わるだけでこんなにも政策が変わるのかと驚いています。身近な問題で考えると農作物など生活に直結するものですったもんだやられると家庭に打撃があるだろうなという印象ですので、日本政府が流されることなくしっかりと主張してくれることを望みます。

関税ターゲットです（cheetan・千葉県・49）

気にかかるどころの話でなく、弊社はまともに影響を被っています。中国の工場で生産し北南米に納品しているのですが、南米向けの製品も従来は米国の倉庫に入れて管理していました。輸送ルートの変更、保税倉庫の契約、税負担についての顧客との交渉等、発表以来振り回されています。部課長がそれにかかりきりになるので、課長の手からこぼれた仕事がどっと私に回ってきています。

買いたくなる自国製品を作る（zun・愛知県・56）

昨日まで、私自身初めてのアメリカ出張に行ってきました。東部の比較的田舎町でしたが、ハイウェイを走る車のおよそ７割ほどが日本車でした。買いたくなるアメリカ車を生産すればいいのに…と素朴な感想でした。

間接影響の方が問題（blueberry53・大阪府・61）

トランプ大統領の貿易政策で私が気になるのは日本への直接影響ではなく、世界の経済・社会に与える影響による日本への間接影響です。世界が、ポピュリズムやナショナリズムの高まり、政治的混乱、宗派対立、ロシア、中国での影響力の拡大など混乱が強まる中、各国のGDPを引き下げ、格差を拡大させることにより、世界中で大衆の不満やテロ行動の助長につながるからです。トランプ大統領の視野は自分にしかないので何を言っても駄目と思いますので、日本は自己防衛に取り組むことが重要だと私は思います。

日米トップはお友達？（unagi・東京都・57）

私は、トランプ大統領就任当初から、安倍首相のアプローチで友人関係が構築されたように思いますが、実際どうでしょうか。中国に対して高い関税をかけ、中国はそれに報復する形で同程度の関税をかけようと対立が激しくなっている今、日本が無事に済む訳が無いのではという気がします。北朝鮮の非核化にかかる費用を日本と韓国が負担するなどと発言していたトランプ大統領が、イージスアショアなどの高い軍事費の負担以外に何を日本に求めてくるのか不気味です。

どこか他人事と思っていたが（まうやん・東京都・47）

どうしても政策や貿易の話は苦手分野で他人ごとにしか感じないため、NOを選択してしまいました。しかし、議長からの身近な問題から考えた投稿を、という文言でハタと日常の買い物について思い出しました。豚肉や鶏肉は国産のモノを選ぶことがほとんどですが、国産牛肉は高いためにしばしばアメリカ産を購入することがあります。その理由は安いことと赤身が多いことから。もしアメリカ産が高くなればオージービーフなど他の国の安くて良いものを求めるようになるかもしれません。

「気にしてもしょうがない」？（まゆみｔｍ・東京都・49）

「気にならない」というよりも、奔放に次々繰り出される政策に一喜一憂するのには疲れたというのが本音です。計算の上か否かにかかわらず都合が悪くなると前言撤回して言い繕うという、近所の困ったおじさんのような態度には、真剣に取り合う気が失せます。直接的な働きかけのできるポジションでは無い日本の一般市民なので、我が国の官民関係者を信じて見守り観察する、という受け身的な立ち位置にいます。

いただいた投稿の中で、cheetanさんの投稿は今回の「米中貿易戦争」の一つの焦点です。日本から中国に輸出した部品を使って中国からアメリカに輸出されているものが関税引き上げの対象になれば当然のことながら大打撃を受けるでしょう。日本が対象になっていなければ安心というわけにはいかないのです。
 
それにしてもトランプ大統領は何を望んでいるのでしょうか。そもそも二国間で貿易を均衡させようというのは理論的には無茶な話です。それぞれの国の経済状況によって不得意なものと得意なものがあり、だからこそ貿易することの意味があるわけです。トランプ大統領は日米間で自動車を持ち出すようですが、そもそもビッグ３は日本で売れるように車を開発してきたのか、という大きな疑問があります。zunさんのおっしゃる通りです。
 
もっとも日本の自動車産業や政府も「公正な競争の結果」とばかり胸を張るわけにはいかないのも事実です。外車を日本市場から閉め出すべく、あの手この手を使って妨害してきたのも事実です。日本の市場が外国企業や外国製品に対して、ずっとオープンだったとはいえないのです。時には難癖をつけても日本の市場を守ろうとしてきました。たとえば外国製のスキーに対して、日本は雪質が違うから外国製のスキーには合わないという議論があったり、日本人の腸は長いから牛肉などはそれほど輸入できないという何とも珍妙な議論もあったと聞いています。私自身が取材した経験でいうと、「タイのコメは不味くて消費者の口に合わない」から輸入する必要はないと言い放った農協中央の幹部もいました。
 
こうやって市場を守ろうとしてきた日本が、トランプ大統領に自由貿易の大切さを訴えるというのも、何だかちょっと違和感があります。
 
それはともかく、米中貿易戦争は世界の誰も望んでいないし、もし両国とも引っ込みがつかなくなれば、その行き先は世界貿易の縮小にしかなりません。1929年世界大恐慌の後、各国が自国経済を復活させようとして関税による自国産業の保護に乗り出し、最終的にはそれが熱い戦争につながりました。さすがに今はそこまでアメリカが突っ張るとは思えませんが、トランプ大統領の自国第一主義がそういう危険をはらんでいるのは事実です。
 
対米黒字を理由にアメリカが日本に対してもいろいろ要求してくることははっきりしています。トランプとシンゾウの個人的関係で日本についてはお目こぼしというのも期待できません。そうなると日本の景気が悪くなることは目に見えています。オリンピック景気もそろそろ終わりに近づき、来年秋には消費税の引き上げも控えています。あまり明るい要素がありません。
 
さて皆さんに伺います。日本の市場の中で、最も閉鎖的と考えられている市場のひとつが農産物市場です。外国産のコメに対してはほとんど市場が開かれていないし、肉や乳製品なども国内事業者の保護を理由に高い関税をかけています。小麦などはパンが安くなりすぎるとコメの消費が減るとして小麦に高い関税をかけています。日本の農業を保護するのは食料安全保障という問題もあるでしょう。こうした考え方を止め、トランプさんの自国第一主義を批判するためにも、日本の農産物市場をもっと開いたほうが私たち消費者にとってはいいことでしょうか。それともやはり日本の農業を保護したほうが安心安全という面からもいいと思いますか。


★藤田議長の過去の円卓会議より
・海外メディアのニュース、ウォッチしていますか？
・株価上昇。日本経済は良い方向に動いていますか？
・経済記事、読んでますか？

• 2018.07.09
• 藤田正美 フリージャーナリスト、『ニューズウィーク日本版』元編集主幹